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実践企業に学ぶ データドリブン・マーケティング

「顧客オリエンテッド」な発想で お客さまに寄り添う提案を目指す

渋谷直正氏(日本航空)

BtoBtoC型のビジネスから、デジタルを活用してBtoC型へとチャネルを転換してきた日本航空では、一人ひとりのお客さまに寄り添う、1to1のコミュニケーションに力を入れています。Webサイトの分析や、レコメンド、Web宣伝などの担当として、データを活用した顧客起点のマーケティングの実現を目指す、渋谷直正氏に話を聞いた。

お客さまに寄り添った提案で「究極の幕の内弁当」を目指す

かつて旅行会社などtoBの販売が主戦場だった航空会社。日本航空(JAL)のビジネスモデルも同様だった。しかしインターネットをはじめとしたデジタルテクノロジーの進展により、消費者に直接商品を販売することが可能になって以来、toCのマーケティングに注力してきた。

JALの渋谷直正氏はその過程を「いわばメーカー然とした"つくるマーケティング"から、自社で商品を"売るためのマーケティング"へのシフトを進めてきたと言える」と話す。実際、JALでは、今や国内線航空券の7割以上がWebサイト経由で直購入されているという。

オンラインのチャネルの重要度がますます高まるJALにおいて、渋谷氏は、Webサイトに関わる分析を基に顧客へのレコメンド、Web宣伝、メルマガなどを手掛ける。データ分析とツールを活用して効率的なオペレーションを行いながら、サイト内でのレコメンドを中心にWebサイトの収益最大化を目指している。

「収益を上げるためには、結局2つの方法しかありません。ひとつは、新しいお客さまにお越しいただくこと。これはもちろん大切なことですし、私たちもWebサイトにバナー広告を出稿したりしていますが、その効率はネット広告の草創期に比べると、低下していると言えます。

そこで大切になるのが、購入していただく回数を増やしたりホテルなどの関連商品をおすすめして単価を上げていく方法です。そのためには、JMB(JALマイレージバンク)会員をはじめとしたお客さまがどのようなニーズをお持ちなのか、データの分析を通じて探り、一人ひとりに合わせた提案をする『1to1施策』が必要になるわけです」と渋谷氏は話す。

現在、JALではデータの利活用に限らず、「商品オリエンテッド」なマーケティングから、「顧客オリエンテッド」なマーケティングへの転換を進めている。企業目線で一方的に商品を提案していくのではなく、お客さま一人ひとりのニーズに合わせた提案に注力しているのだ …

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