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実践企業に学ぶ データドリブン・マーケティング

データ利活用の初期フェーズにおける社内環境と体制の整備

福田晃仁氏(JTB)

他社に先駆け、1998年からインターネットによる旅行販売を開始したJTB。このJTBにてデータ活用戦略を統括する福田晃仁氏は、これまでに培ってきたブランド力を、デジタルのマーケティング上にどれだけ持ち込めるか?という視点からデジタライゼーションを推進する。JTBのデータ活用、デジタライゼーションの戦略とは。

ネット販売歴20年のJTBでもまだ抱えているデータ活用の壁

インターネットの幕開けは90年代。JTBは98年に「インターネットによる旅行販売」を開始しました。この頃の日本国内のインターネット世帯利用率は10%程度。Yahoo! Japanのサービス開始が1996年、Googleの起業が1998年だったことを思い起こせば、いかに先駆けた存在であったか想像できるでしょう。(※1)

※1)参考URL https://www.jtbcorp.jp/jp/100th/history/

当社の強みは「実店舗」というリアルの顧客接点と、「EC」の両軸があることです。

とは言え、「店舗」と「EC」の連携ができているか?という問いに「できている」と即答できるかと言えば、そうではありません。顧客体験ベースで見ると店舗とECは分断され、体験価値を提供するどころか、事業体はそれぞれの顧客を同じ人とすら認識できていないのです。このような状況は、各業界における老舗の絶対王者(社)に散見される現象と言えます。これまでの収益構造が回転しており、"壊れているように見えない"ため、市場や顧客構造の変化への対応が遅れたのです。

遅ればせながらデジタライゼーションに取り組むJTBはデータドリブン実現のため、動き出しました。

ここでは「1.データドリブンの定義」「2.環境の整備」「3.データ活用の2つの方針」という当社が実行しているプロセスに沿って説明していきたいと思います。

1.データドリブンの定義

さて、特集のテーマでもあるデータドリブンは、何をすれば実現するのでしょうか?我々は、次のように定義しています。

以下の「3軸」がぐるっと1周し、回転し続けること
1.統合データ基盤
2.顧客分析
3.マーケティングアクション

デジタル施策のマーケティングアクションが機能するには、顧客分析が必要。そして顧客分析は、リアルとデジタルを統合したデータベースの上に成り立ちます。単純ですが、上記の3つをうまく稼働させるには、それぞれのノウハウだけでなく、相互の連携が必須となります。

そこでJTBでは3軸それぞれのチームを統括する戦略組織として、「Data Science Central」を据え、それぞれ独立体系ではなく、有機的な相互作用がある形を意識して、リーダー/専任/兼務を配置し、やりたいこと、やるべきことの目的意識の統一を行っています。企業におけるデジタライゼーションの推進とは、まさに組織論なのです …

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