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理念に対する共感がカギ 社員の元気をつくるコミュニケーション

モチベーション低下の背景にある課題にクリエイティブの力で向き合う

原野守弘氏(もり)

なぜ従業員のモチベーションを維持し続けることは難しいのか。社内コミュニケーションの問題には根源的なブランドの課題が潜んでいることが多いと指摘する原野守弘氏。社内コミュニケーション、社内変革におけるクリエイティブの役割を紐解く。

POLA「POLAリクルート・フォーラム2018」のリクルートCM。

モチベーション低下に潜むブランドの課題を発見せよ

社員のモチベーションが上がらない、社内のコミュニケーションを何とか改善したい…。こんな声があがったとしたら、モチベーションやコミュニケーションの問題の根源に、企業・商品ブランドの課題があるのかもしれません。社内の士気を高めようと小手先の施策を打っただけでは、短期の効果しか上がらないでしょう。そんな時こそ、クリエイティブの力を"本質的な課題の発見と解決"に生かすべきだと私は考えています。

企業そのもの、ブランドそのものが本質的な課題と向き合い改革しようとする"波"に、クリエイティブの力がうまく乗ったとき、社内外問わず多くの人の気持ちを動かすことができます。

例えば私が携わった、「POLA」のリブランディングの事例がそうです。新しいVI「Pola Dots」のデザインやショッピングバッグ・店舗デザインなどの一新、"この国は、女性にとって発展途上国だ"のフレーズで始まるリクルート用テレビCMなどのクリエイティブは、大きな反響を呼びました。

しかし、どちらも「VIを一新しよう」「採用広告として優れたものをつくろう」という目的で、できたわけではありません。訪問販売のビジネスをルーツにブランドを確立した「POLA」は、高い商品力を生かして店舗販売の事業へとシフトしようとしていました。企業としての挑戦と革新があってこそ、リブランディングが成功したのです。

こうした変革の局面で、採用活動単体のコミュニケーションを考えるのは得策ではありません。むしろ、社内と社外、商品ブランドと採用、などと分けるのではなく、一貫して「愛される・尊敬されるブランド」であることが、結果的に採用にもつながるのです …

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