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カンヌライオンズ2018 新設部門に見る広告の最前線

6月に行われた世界最大規模の広告賞「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」。今年は部門構成に大きな変化があり、賞は26部門に再編され、各部門はさらに9つのトラックに分けられた。前号に引き続き同広告賞を扱う今号では、今年新設された5部門の最高賞受賞作品を紹介する。

01 ブランデッドエクスペリエンス&アクティベーション部門:Apple
実店舗の存在を最大限に生かす、アップルのブランディング

Apple「Today at Apple」


1945年、当時最大のメディアであった劇場広告のフェスティバルとして始まったカンヌライオンズ。その後、多様に変化する広告・クリエイティブ業界と、それを取り巻く社会環境に応じ、対象領域を広げてきた。今年の再編に伴い整理された各部門は、(1)コミュニケーション、(2)クラフト、(3)エンターテインメント、(4)エクスペリエンス、(5)グッド、(6)ヘルス、(7)イノベーション、(8)インパクト、(9)リーチの9つのトラック領域に分けられた。

中でもエクスペリエンス領域では、2部門が新たに設置された。そのひとつ、ブランデッドエクスペリエンス&アクティベーション部門は、エクスペリエンスデザインや顧客エンゲージメントを基軸とする。デジタル技術や店舗体験などを通じ、創造的かつ包括的にブランド構築をした取り組みに贈られる賞とされ、McCann Worldgroup グローバル・クリエイティブ・チェアマンのロブ・ライリー氏が審査委員長を務めた。

第一号グランプリは、アップルが各店舗で展開する教育プログラム「Today at Apple」が獲得した。同プログラムは2016年、米国サンフランシスコの店舗オープンに際し、従来行われていたワークショップに代わって立ち上げられたもの。Appleの各商品の使い方をレクチャーする基本のセッションから、オリジナルの曲を作成できるMusic Lab、写真家とのPhoto Lab、街に出て絵を描くSketch Walks、子供向けのKids Hourなど、様々なプログラムがある …

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