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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

SNSが変えるコピーライターの仕事 メディア環境を意識したコピーライティング

河西 智彦氏(博報堂)

今月のテーマ:広告コピー企画・制作の基本

アナログだけでなくデジタルのメディアが登場し、さらにソーシャルメディアが浸透した時代においても、「言葉」によるコミュニケーションの重要性が変わることはありません。人々の共感を呼び起こす「広告コピー」はどのようなプロセスで発想し、形にしていけば良いのか。第一線で活躍するコピーライターの方が、コピーの基本的な発想法から昨今の環境を意識した今日的なコピーの書き方まで、ポイントやノウハウを解説します。

    スマホ・SNS時代のコピーライティングのポイント

  • 「何が目的か」「何を言うか」「誰に言うか」の3つの手順を押さえ、「どう言うか」を時代に合わせて変化させる。
  • 「ひとこと力」と「SNS文脈での長文力」を意識する。
  • 売上に貢献したり、応援や共感を生む「企業・ブランドパーソナリティ」を意識してコピーを書いていく。

メディア環境が変わってもコピーの発想方法は変わらない

宣伝会議コピーライター養成講座の講師もさせていただいている、博報堂クリエイティブディレクターの河西智彦です。若輩者ではありますがSNS時代のコピーライティングについて書かせていただきます。

まず大前提として、今も昔もコピーの果たす役割、そしてコピーの発想方法に大きな変化はありません。簡単に説明をすると、良いコピーはすべて図1のとおり、①「何が目的か」②「何を言うか」、③「誰に言うか」、④「どう言うか」の4つの要素に分解することができます。なぜならコピーライターはこのような発想の順番で論理的にコピーを考えているからです。

図1 コピーライターの発想のプロセス

例えば、「◯◯という新商品を売りたい(何が目的か)」→「そのために◯◯を伝える(何を言うか)」×「20代女性に買ってもらいたい(誰に言うか)」→「なので『×××』という言い方にする(どう言うか)」といった具合です。

その中で唯一、時代によって変化するのが、コピーを書く最後の工程、④「どう言うか」です。

かつて、新聞など印刷メディアが中心だった時代にテレビメディアが現れ、コピーが大きく変化しました。「書き言葉コピー」から「話し言葉コピー」へ、です。テレビの浸透とともにテレビから聞こえてくる「話し言葉」が世の中に浸透し、それまで「当たり前」であった「書き言葉コピー」から「話し言葉コピー」へ、①②③はそのままに④「どう言うか」が変化したのです。

同様の変化は、スマホやSNSが浸透した現在にも起きています。ですが、①②③の手順は変わりません。なので、コピーを学んでいる方は、まず①②③という発想手順を必ず踏まえ、を時代に合わせて変化させていくことを意識してください。

コピーを短期間で上達させるポイント

本題に入る前に、少しですがコピーを短期間で上達させる2つのポイントに触れます。

ひとつは、「『何を言うか』を必ず意識すること」。2つ目は、「いきなりコピーを書くのではなく、まず『何を言うか』をたくさん書くこと」です。これは通常のコピーでも、SNSの企業公式アカウントのつぶやきでも、カタログのコピーでも同様です。

からまでの要素があるのがコピーです。順番に発想せずに4つの要素をいきなり書く(いきなりコピーを書こうとする)のは自ら難易度を上げてしまう行為です。そのせいでコピーの量と発想の幅がでないのは当たり前で、結果コピーの質も高まりません。「量が出ない」、「あまり良いコピーが書けない」「自分では良いと思っているが、周囲が評価してくれない」というコピーの3大お悩みは、「何を言うか(◯◯は××だ、程度にシンプルに)」をまずたくさん書き、それを見ながらコピーを書いていくことで大幅に改善できます。

ではここからはスマホやSNSが浸透したメディア環境でのコピーについて触れていきます。

まず、デジタルの発展はコピーライターの仕事にどのような影響を与え、どのようなことを可能にしたのでしょうか。

いちばん大きな影響は「仕事量と幅が増えている」ことでしょう。デジタルの発展により、世の中に発信される情報の総量は飛躍的に増加しました。すると当然、言葉や文字の総量も増えているわけです。もちろんコピーライターではない人が書く言葉も多くなっていますが、コピーライターの仕事量と幅は確実に増えています …

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