広告マーケティングの専門メディア

           

広告ビジネス2.0 広告、メディア、クリエイティブのアップデート

マスとデジタルは「&/or」の関係 デジタル時代の広告クリエイティブ

小霜和也氏

マスとデジタルの関係性を考える際、その多くが対立構造や優位性の問題として語られる。だが、クリエイティブディレクターの小霜和也氏は「両者は対立なんてしていない」と指適する。小霜氏が考えるデジタル時代のクリエイターのマインドセットとは。

小霜オフィス/no problem LLC.
Creative Consulting/Creative Direction/Copywriting
小霜和也氏

1986年東京大学法学部卒業、同年博報堂入社。1998年退社。現在小霜オフィス/no problem LLC. 代表。2018年4月より内閣府政府広報アドバイザー。クリエイティブディレクター コピーライターとしてマス・Webを統合する広告キャンペーンに携わる一方、企業のクリエイティブ・コンサルティングにも従事。

これからは商品価値を限定しなくて良い

デジタル時代になったことで大きく変わるもの。それは価値化の手法だと思います。「商品価値」という言葉からほとんどの人が価値はモノにくっついているとイメージしていますが、価値とは人の心の中に生まれるものです。

例えばここに「白い皿」があるとしましょう。「これは灰皿です」と言えば、灰皿になります。すると、タバコを吸う人には価値が生まれ、吸わない人には価値がなくなる。ではどう言えば最も利益につながるか?これこそが従来型のマーケティングであり、広告コミュニケーションの根っことなる考え方だったと思います。

ところが、デジタル時代においては「ワントゥワンマーケティング」の実現が可能になりつつある。そうなったら、タバコを吸う人には「灰皿だよ」と伝えれば良いし、刺身が好きな人には「刺身皿だよ」と伝えれば良いわけです。

こうした考え方は、商品やサービスのすべてに言えることです。これからは商品価値をひとつに決めず、相手によってマルチに伝え分ける時代。それが広告コミュニケーションにおける大きな変化ではないかと思います。それに伴い、これまでの広告のつくり方がガラリと変化していくことでしょう。

広告の役割はより「告知」へと拡がる

今後はクリエイティブそのものの評価が変わると思います。そしてクリエイティブディレクターの仕事の範疇も明らかに変化するはずです …

あと61%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

広告ビジネス2.0 広告、メディア、クリエイティブのアップデート の記事一覧

データ利活用に際しての消費者と企業の信頼関係を考える
広告があることで存在してしまう世界に、企業はどう向き合うべきか?
インターネット広告が浸透する時代に、必要な「広告」メディアの定義
企業の「存在意義」に向き合う、広告・コミュニケーション部門の役割
パーソナル化への対応、進むデジタル+データで変わる紙メディア
デジタルが塗り替えるOOH─進化するアナログメディアの今
ラジオの追い風となる? デジタルオーディオアドの可能性─進化するアナログメディアの今
広告なしでメディアは成り立つか? テストする女性誌『LDK』の挑戦
民放キー局、マーケティング担当座談会「僕たちが考えるこれからのテレビ」
人にしかできないことは何? AI時代のコピーライターの仕事術
「ファンベース」から考える広告、広告会社の果たすべき役割とは
パーソナライズが進む時代に 広告、メディアはどこへ向かう?
マスとデジタルは「&/or」の関係 デジタル時代の広告クリエイティブ(この記事です)
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する