2007年にスタートし、12回目を迎えた「宣伝会議インターネット・マーケティングフォーラム2018」。6月5日、6日の2日間にわたってANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催されました。今年のテーマは「Industry Innovation ~新しいルールをつくる人たち~」。最先端の取り組みやサービスを提供する企業が一堂に会し、デジタル時代の今、顧客体験を軸にどのような価値が提供できるかを紹介。本号では、本フォーラム協賛企業による講演レポートを中心に紹介します。
無料レンタルスマホで"旅ナカ"ニーズをつかむ
THEME
インバウンド6000万人を動かす勝機戦略 handy-「旅ナカ革命」が目指す世界
インバウンドの人数は年々増大し、それに伴って訪日消費額は主要産業と拮抗するほどの存在感を持ち始めている中、彼らの行動が今までとは変わってきているという。「リピーター化によってノープランで訪日し、旅ナカで行き先を変更したり買い物先を決める割合が増えている。求める情報も交通手段や飲食店情報など、より具体的な内容が求められている」とhandy japan Vice President-Advertisingの岩田行雄氏。
それらの情報源としては、今まで機内誌や口コミサイトなどがあった。だが、それらは本当に彼らにリーチできているのかといった疑問や、効果検証の難しさなど多くの課題があったと岩田氏は話す。
「そこで立ち上げたのが、訪日旅行者向けの無料スマホサービス"handy"。これは全国のホテルに設置され、利用者は旅ナカの無料通話やインターネットができ、観光情報が得られるというもの。旅行者のみの利用のため、セグメントを切った効果検証が可能」。
handyは富裕層向け「Luxosマガジン」のコンテンツと連携しており、シティガイドとして旅ナカの行動を全面的にサポート。広告主のメッセージをユーザーに最適なタイミングで届けることが可能となっている。事例紹介では、大型ショッピングモールや鉄道会社、観光局などでアクセス増による認知度の向上と、大きな送客効果があったとの評価が紹介された。


handy japan
Vice President-Advertising
岩田行雄氏
お問い合わせ
handy Japan株式会社
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布3-2-1 北辰ビル5階
Tel:03-6804-5022
E-mail:handy-adteam@handytravel.co.jp
URL:http://handy-japan.com/future/
心を動かす動画でブランドへの共感と信頼を生み出す
THEME
マーケティングの鍵、ユーザーを動かす動画コンテンツ
動画マーケティングと動画メディアのサービスを提供するViibarは、動画コンテンツでどのように人を動かすマーケティングができるのかをテーマに講演をした。
「企業の広告が生活者に届きにくい時代、生活者にスルーをされない、生活者の文脈に沿った情報を提供することは動画でも大事だ」とViibar 取締役の高橋俊輔氏は語る。そして同社が作成したライオン「クリニカKid’s」の動画制作過程について言及した。
「歯磨きを嫌がる子どもの歯磨きに悩んでいるママは多い。そんなママの心を救うための動画を企画・制作。調査結果から『歯磨き中のママの顔は怖いから、子どもは嫌がる』という発見を経て、この事実をママに気づいてもらうだけではなく、『子どもにママの歯を磨いてもらう』という解決策を動画の中で提示した。この動画がママ世代の共感とライオンへの信頼を生み、高評価をいただいた」と振り返る。
高橋氏は「心を動かす動画コンテンツをつくることで、マーケティングの武器にしていただけるのではと考えている。1人ひとりのユーザーの声をしっかり傾聴してブランドが提供する本質的な価値を、心を動かす動画コンテンツを通じて伝えることで、ユーザーとブランドの信頼を生み出していく。情報があふれている時代、現代のマーケティングのひとつの解決策になるのではと考えている」と結んだ。


Viibar
取締役
高橋俊輔氏
お問い合わせ
株式会社Viibar
住所:〒141-0021 東京都品川区上大崎2-13-17 目黒東急ビル5階
Tel:03-6455-7933
URL:https://viibar.com/
データを紐解くインフルエンサーマーケティングの活用
THEME
インフルエンサーと動画メディアのマーケティング活用の最新トレンド
インフルエンサーを活用した広告・プロダクション・メディア事業を展開するBitstar 取締役CSO 原田 直氏はインフルエンサーマーケティングのトレンドについて講演をした。
まず原田氏はインフルエンサーを広告で活用するメリットは、インフルエンサーの拡散力、訴求力、オピニオン形成力にあると述べた。
次にインフルエンサーマーケティングのトレンドは、「マルチプラットフォーム」「お客さまの行動に合わせたコミュニケーション」「データドリブンでインフルエンサーを活用」の3つであるとし、それぞれを解説。今まで単発のプラットフォームを使っていたインフルエンサーは、現在ではSNSの特長に合わせて使い分けをしている。「プロモーションも、マルチプラットフォームの中から選択するべきだ」と原田氏は述べた。
またコミュニケーションは、カスタマージャーニーに合わせて発信するという発想が出てきていることから、誰にプロモーションするか考慮するべきだという。
こうした考えを踏まえ、インフルエンサーを活用する際のポイントとして原田氏は(1)フォロワー数よりもエンゲージメント(2)ファンの属性(3)コンテンツとの親和性(4)インフルエンサーの成長状況など4点を提示。データドリブンで選択を行う必要性を述べ、講演を締めくくった。


Bitstar
取締役CSO
原田 直氏
お問い合わせ
株式会社Bitstar
住所:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-17-5 シオノギ渋谷ビル6F
Tel:03-4520-5777
E-mail:a.takagawa@bitstar.tokyo、sales@bitstar.tokyo
URL:https://bitstar.tokyo/
増加する、多様化する企業の動画資産を管理する時代
THEME
次の一手に行き詰まってませんか?動画の活用方法
「日本では、オウンドメディアで動画を活用する視点があまり定着していない」とブライトコーブの北庄司英雄氏。また、同氏は「最近では、動画広告の重要性が多くの企業に認知されるようになった結果、実績やノウハウが社内に蓄積しつつある。ところが、その制作物をどう管理し活用するかといった点ではだいぶ遅れをとっている」と話す。
これまで多くの日本企業が動画配信をする際の選択肢は「YouTube」が多かった。だが、リスク管理や動画の種類が増えたため、実際の声としてYouTubeだけで管理するというのは難しくなってきたと北庄司氏は言う。
実際、BtoBの企業において、YouTubeを35%以上の企業で閲覧制限をしているとのデータもある。手間暇かけて制作した動画が、ターゲット層に届かず機会損失につながっているというのだ。
「企業は目的によりYouTube、Facebook、Twitterといった動画配信可能なソーシャルメディアを使い分けるべき。動画資産が効率的に一元管理されていれば、最適な出面での配信が可能」と北庄司氏は話す。それを可能にするサービスとして「Brightcove Video Cloud」を紹介。MAと動画視聴データを連携することでユーザーの興味の度合いが図れるため、今後はリードナーチャリングにおけるコンテンツとして動画がさらに重要な役割を果たすだろうと述べた。


ブライトコーブ
シニアセールスディレクター
北庄司英雄氏
お問い合わせ
ブライトコーブ株式会社
住所:〒108-0014 東京都港区芝5-31-17 PMO田町9F
Tel:03-6453-7330
E-mail:marketing-japan@brightcove.com
URL:https://www.brightcove.com/ja/