2018年6月に開催されたB2Cの最先端テクノロジーに特化したグローバルカンファレンスである「Salesforce Connections」。現地を視察した、音部大輔氏と笠松良彦氏がマーケティングとマーケターの未来について語った。
進化するAIの最先端にマーケターはどう向き合うべきか?
2018年6月12日から14日まで米・シカゴで開催された「Salesforce Connections」は、B2Cの最先端テクノロジーに特化したグローバルカンファレンスだ。500を超えるセッションや最先端のマーケティングソリューションを紹介、多数の展示、音楽ライブやトークセッションなどで構成されている。7月26日には東京ミッドタウンで、「Salesforce Connections」の情報に触れることができる「Salesforce B2C CRM Conference」が開催された。
これに先立ち6月25日、加藤希尊氏をモデレーターに「グローバル最新トレンド視察報告セミナー」が実施された。今回初めて「Salesforce Connections」を現地視察したという音部大輔氏と笠松良彦氏がゲストスピーカーとして登壇した。
国内外さまざまなカンファレンスを視察しているという笠松氏はConnectionsで、「顧客第一主義を実践していくうえで必要なカスタマーエクスペリエンスの大事さ、カスタマージャーニーを最適化し、いかに提供していくかという概念が事例として紹介されていた」と話し、そのためのソリューションを、一民間企業であるセールスフォース・ドットコムがクラウド上で提供していることに「マーケティング領域がこんなにも自動化されていることに大きな驚きを感じた」と話した。
音部氏は「想像以上にAIが便利になっている」と指摘し、「機械が人間の頭脳労働に影響を与え始めていると感じた」と感想を述べた。
セミナーでは、デジタルテクノロジーを有効活用するための組織のあり方、またマーケター個人に求められる能力は何かについても言及された。これについて音部氏はマーケティングテクノロジーを活用するうえで大事なのは、マーケティングで達成したいことをグランドデザインとしてマーケターが持っていることだと指摘した。
テクノロジーは、デジタル化によって増加した作業の自動化に貢献することはできるが、AIをもってしても、ビジネスにおける目標設定の自動化はできていない。そこが人の活躍する余地だという。
笠松氏は、マーケティングがデジタルによって自動化され「今は操作する人間が必要だが、そのうち必要がなくなるのではないか」と恐怖感を口にしつつ、人がその存在感を発揮できるのはクリエイティビティだと指摘。顧客となる「人」のインサイトを知り、そこからマーケティングプランを立て、実行するためのディレクションをする能力が問われていくと話した。
また笠松氏からは、オンラインとオフラインのあらゆる接点がデジタルでカバーされるOMO(Online Merge Offline)という概念も紹介された。グローバルカンファレンスの雰囲気を知るとともに、マーケティングとマーケターの未来を想像するための貴重な時間となった。
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