広告・コミュニケーションの手法や表現の可能性を大きく広げてくれる、最新テクノロジーの数々。「CES」や「SXSW」といったイベントに熱い視線が注がれているのも、そんなテクノロジーへの期待の高まりの証左と言えます。しかし、そんな時代だからこそ、「テクノロジーありき」で発想してしまうことの危険性を、インターネット育ちのプロデューサー・富永勇亮氏は指摘します。
本連載では、広告・コミュニケーションのあり方を変えるような先進テクノロジーや、その活用事例を紹介しながらも、テクノロジーに踊らされることがないよう、マーケターやアドパーソンが押さえておくべき視点や考え方を提示します。
史上初ベスト8入りが日本代表の手から滑り落ちるなど、数々の熱狂と興奮を残して終わった今回のワールドカップで、ちょっとした歴史的事件があったことを皆さんはご存知だろうか?
今大会から導入された「VAR」という仕組みによりワールドカップ史上初めて、審判の下した判定が覆ったのだ。これは現代のテクノロジーの主戦場であるデジタル界隈に生息する大サッカーファンである私にとって、非常に感慨深いものがある。デジタルテクノロジーが社会を変えるという事実が、社会に受容された事を示す象徴のように感じたのだ。
その変革の中心にいるのは、間違いなくテクニカルディレクターである。この連載を読んでいただいている方はクリエイティブディレクターという役職についてはもちろんご存知だと思うが、テクニカルディレクターという役職はまだ日が浅く、極めて希少種なので、ご存知ない方もいらっしゃると思う …