ファッションコーディネートに気象データを生かしたサービス「TNQL」を提供するルグラン。代表取締役共同CEOの泉 浩人氏にAI×気象データで実現するファッションビジネスの可能性について聞きました。
世界共通の課題コーディネートを気象データの活用で解決へ
デジタルマーケティングのコンサルティング会社であるルグランは、2015年から気象データを活用したウェザードリブンマーケティングの分野に乗り出し、気候や気温の変化に合わせてコーディネートを提案するWebサービス「TNQL(テンキュール)」の提供を2017年に開始している。
もともと、データを活用して企業の課題解決に取り組む中で、天候データを含むさまざまなデータをMA(マーケティングオートメーション)に生かす試みを続けてきたという同社。中でも、同社のクライアントは比較的アパレル企業が多く、アパレル企業の課題を耳にするうちに、ファッションが気象環境に大きな影響を受けていると気づいたことがサービス開発のきっかけだという。
TNQLのコンセプトは「データとクリエイティブを使い、女性の朝を楽にしよう」というもの。同社ではサービス開発に際して、主なターゲットと想定した働く女性30〜40名を集めたサービスデザインのワークショップを実施。そこで「毎朝の洋服選び」や「天気をどのくらい気にするか」に関するヒアリングを行った。
「ファッションと気象を掛け合わせることでターゲット層の課題を解決できないかと模索していた時に、『毎朝のコーディネート選びは世界共通の課題である』という記事を見つけたのです。海外などでも女性は1日平均17分、1年あたりで100時間程度悩んでいるのだそうです。コーディネート選びはグローバル共通の課題である中で、特に日本は四季があり気温の変化も激しい。そうした環境を踏まえてTNQLサービスをつくりました」と同社 代表取締役共同CEOの泉 浩人氏は話す。
5月上旬並みの気温に適した服装も昨年の記録からすぐに分かる
その日の天気に合わせてコーディネートのアドバイスをするTNQLは、Instagramを中心に活躍するイラストレーター8名が800パターンのコーディネートを制作。一つひとつのコーディネートパターンには気象情報と絡めたアドバイスがつく。気に入ったコーディネートは「コーデログ」という機能で記録できるため、何が気に入ったのかをAIが学習することで、利用者の好みに合わせたコーディネートが提供可能だ …