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広がるLGBT市場と経済価値 「LGBTプライド月間」を支援する米企業

松本泰輔

1969年6月28日、同性愛者を取り締まる警察に抵抗する暴動が、ニューヨークのゲイバー「ストーンウォール・イン」で起こった。この暴動は後に「ストーンウォールの反乱」と呼ばれ、同性愛者による権利獲得運動の転換点となった。これを記念し米国では毎年6月、「LGBTプライド月間」として各地でパレードや集会などが行われる。そして彼らを支援する企業は、単にLGBT関連商品を販売するだけでなく、さまざまな形でキャンペーンを行っている。

年間購買力は100兆円超 影響力高まるLGBTコミュニティ

LGBT関連に詳しい雑誌『The Advocate』は、LGBTの2017年消費総額は9170億ドル(約101兆円)に達し、彼らの友人・家族・親戚を含む全体の75%が「LGBTフレンドリーなブランドにスイッチする」と答えていると報じた。

またLGBTビジネスオーナーは現在140万人おり、その経済価値を加えるとLGBTによる年間総消費額は1兆7000億ドル(約187兆円)に達する。その数字を世界経済に例えると、米国のLGBTコミュニティだけで世界10位の経済大国になる規模だ(カナダ・オーストラリア・韓国の三国合計に匹敵)。

LGBTをターゲットにする企業のコンサルティングを行うワイテック・コミュニケーションCEOのボブ・ワイテック氏は、National LGBT Chamber of Commerce(全米LGBT商工会議所、略称=NGLCC)の報告書「America’s LGBT Economy」のなかで、「LGBTの消費力は我々の市場に大きな影響を与えると同時に、我々が経営者としてつくり出すLGBTの雇用・税収・収益は、米国に膨大な経済価値があることは明らか。私達はいま、その表面を掘り起こし始めたばかり」と指摘している。

プライド月間祝うレインボーカラー アパレル業界の「プライド・コレクション」

アパレル業界は6月、プライド月間を祝うキャンペーンを一斉に開始した。Targetは毎年恒例のキャンペーン「PRIDE」でLGBT消費者をモデルに起用し、今年の「PRIDEコレクション」(1)をWebサイトで紹介した。

新商品はLGBTのシンボルである虹色をあしらった雑貨やアクセサリー、そしてまだ偏見の残る社会へのメッセージとして、「PRIDE」や「EQUALITY」などの文字が入ったTシャツなど数十点に及ぶ。またAmerican Apparelも同様に、LGBTの一般人モデルを起用し「They O.K.("He"や"She"ではなく、性別を特定しない"They"でOK)」(2)ラインのTシャツなどを販売している …

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