ベクトルグループのプラチナムとニューステクノロジーは6月、PRにテクノロジーを掛け合わせたマーケティング手法「PRテック」をテーマとしたセミナーを名古屋・福岡で開催。多様なデバイスやタイミングで情報を受け取る生活者をどのように捕まえ、購買に繋げていくのか。それに応える「PRテック」の方法論とケーススタディの紹介を行った。
記事接触者のデータをトラッキング PR×テクノロジーでCVに繋げる
ベクトルグループの中で、PRを中心に、タレントキャスティングやコンテンツ制作に至るまで幅広いコミュニケーションの戦略立案から実行までを手掛けるプラチナム。テクノロジーとクリエイティブを活用して様々なソリューションを生み出すニューステクノロジー。6月にこの2社の共催によるセミナーが開催された。
プラチナムは「PR×テクノロジーによるカスタマージャーニー発想のコミュニケーション」、ニューステクノロジーは「WEBニュースを起点にした、PRテック活用方法」をテーマに講演を行った。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品を認知してから購入に至るまでの行動や思考、感情の変化などのプロセスをさす。プラチナムは、このカスタマージャーニーの中で潜在層から見込み客をつくるまでを「PR視点でのコンテンツクリエイティブ」の力で、その見込み客に購買を促すまでを「テクノロジーの活用」で実現している。
「これまではPRの力で、高い購買意欲を持つ見込み客を生み出してもその情報に接触した人々をトラッキングすることが難しかった。今はデジタルの領域に限り、パブリシティで接触して深い理解を得られたターゲットの情報を分析・保有し、直接的に広告での刈り取りに繋げられるようになった」と説明した。実際に、記事に接触した人に広告を配信することでCTRが3倍になったケースもあると、その効果を紹介。
また、潜在層から見込み客を獲得する段階ではPR視点でコンテンツをつくることで高い投資対効果が得られるという。「PR視点では、生活者の感情が動くか、行動を促すかという生活者インサイトを捉えた視点、メディアやSNSで情報が広がっていく仕掛けがあるかというメディアインサイトを捉えた視点が重要」と説明。ただ認知させるだけでなく、態度変容、行動変容に繋がる情報クリエイティブの必要性を説いた。
記事接触者のデータを活用し高精度なターゲッティングが可能に
ニューステクノロジーでは、WEBニュースを閲覧した生活者情報をもとにした広告配信やコンテンツ開発を行っている。「スマートフォンの普及などメディア環境の変化により、情報接触経路は10年前と比較して約27倍に増加。特定のメディアの記事に接触したターゲットを把握することが難しくなった」と近年のWEBマーケティング課題を説明。
そこで同社が行ったのが、ニュース記事を閲覧した人のデータとWEB上での行動特徴度やECでの購買特徴度を紐付けて分析するテクノロジーの活用だ。それによって、より精度の高いターゲッティングやコンテンツ開発に活かしCTRなどを改善した。さらに別事例では、商品を検索するキーワードを抽出し、その検索で上位表示を狙う記事を制作。その結果、CPAが一定水準もしくは、それ以上になったと紹介があった。
本セミナーでは、前述した2社の他、サッポロビール、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングが、PR視点でのマーケティング戦略について講演。参加したマーケターにとって、CVに繋げるためのコンテンツ開発や、それらを結びつける最新のテクノロジーについての事例を通して知識を吸収できる場となった。
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