広告・コミュニケーションの手法や表現の可能性を大きく広げてくれる、最新テクノロジーの数々。「CES」や「SXSW」といったイベントに熱い視線が注がれているのも、そんなテクノロジーへの期待の高まりの証左と言えます。しかし、そんな時代だからこそ、「テクノロジーありき」で発想してしまうことの危険性を、インターネット育ちのプロデューサー・富永勇亮氏は指摘します。
本連載では、広告・コミュニケーションのあり方を変えるような先進テクノロジーや、その活用事例を紹介しながらも、テクノロジーに踊らされることがないよう、マーケターやアドパーソンが押さえておくべき視点や考え方を提示します。
私たちが何かを消費する時、そこでは何が起きているのだろうか?
例えば今、この記事を見ているあなたは、書店で立ち読みしているかもしれない。その場合はすみやかにお会計して、自宅でリラックスしながら、続きを読んでほしい。
雑誌の場合、その消費のあり方は、以下のようになる。
(1)書店にふらっと行く→(2)見出しに興味→(3)手に取る→(4)パラパラとめくる→(5)レジで会計→(6)自宅でリラックスして読む
純粋に消費と考えた場合、消費しているのは(5)と(6)の部分だけだ。だが、この消費に伴う「宣伝会議という雑誌との接触」という意味では、(1)〜(6)までの全ての流れが「宣伝会議体験」と言える。これがユーザーエクスペリエンス(以下UX)である …
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