マーシャル・マクルーハンは、1960年代に活躍したメディアの研究者。「メディアはメッセージ」、つまりメディアが伝える内容ではなく、メディアそのものが持つメッセージを理解するべき、という主張が代表的だ。デジタル化、インターネットの普及など、メディア環境が激変するなかで、いま、マクルーハンの研究が見直されている。
本書、『マクルーハンはメッセージ』は著者の服部桂氏が、難解なことでも有名なマクルーハンの著書や研究を解説するとともに、最新のテクノロジーやメディアにも言及しながらメディアについて論じるという内容だ。
マクルーハンが今、注目されている背景には、テレビが爆発的に普及した60年代と、インターネットが急速に広がった現代との共通点がある。
「マクルーハンは、テレビが社会をどう変えるかを斬新な切り口、かつ短いフレーズで表現し、広告業界からはキャッチフレーズの名手ともて囃されました。しかし、その理論は彼の死後に普及したインターネットにも当てはまることがわかり評価が高まったのです」(服部氏)。
マクルーハンが好んで用いた表現に「魚は釣りあげられて、初めて自分が『水』というものの中に居たことを発見する」、という意味の言葉があるそうだ …
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