「マーケターの集合知で日本に突き抜けた成長力を生み出す」ことを目的に設立された「JAPAN CMO CLUB」。すでに参加マーケターも80名を超えている。今回は次世代CMOの育成を目的に、スピンオフ企画として実施された「CAMP TOKYO」についてレポートする。
ブランディングとセリング 両立はどうすれば実現する?
「JAPAN CMO CLUB」は4月25日、「JAPAN CMO CLUB CAMP TOKYO」を東京・TRUNKにて開催した。「CAMP TOKYO」は次世代CMOの育成とそのための学びの場の提供を目的に、CLUBメンバー以外を対象に開催された初のイベントだ。
当日は「JAPAN CMO CLUB」のメンバーを代表し、4名が参加。第1部では、「マーケターの働き方改革」をテーマにパネルディスカッションが行われた。パネリストとして、ネスレ日本にてEコマース本部 部長を務める津田匡保氏とウェルカム マーケティングディレクターの菅野幸子氏が登壇した。
「マーケティング」「マーケター」についてどのように考えるか、という質問に対し津田氏は「専門知識や経験よりも、企画を考える力が大切。自分が面白いと思う企画を、情熱を持って形にする。そのトライアンドエラーの繰り返しで、成長していくことができるのではないか」と回答。一方、菅野氏は「マーケティングとは人の心を動かして行動や思考を変えるための視点」と答えた。
第2部のパネルディスカッションでは、「ブランディングと販売の関係について」をテーマにA.T.Marketing Solution代表 CEO 高田 敦史氏とトリンプ・インターナショナル・ジャパン執行役員 オムニチャネル営業本部 オムニチャネル営業本部長 井上 千鶴氏が登壇。モデレーターは「JAPAN CMO CLUB」のCMOである加藤希尊氏が務めた。
そもそも「ブランド」の定義について二人はどう考えているのだろうか。「ブランドとは会社の経営に貢献する価値があるもの。それだけに金銭的価値に換算できる」とは高田氏の主張。「さらにブランドをつくるマーケティングとセリングは会社の両輪。マーケティングの4つのPが見事に融合したときにブランドが構築でき、極端に言えば、商品を置いておけば売れるようになる、つまりはセリングが不要になります」(高田)。
一方、井上氏はブランドには「歴史があること、製品自体の価値以上のベネフィットを与えられること、安全・安心・信頼が得られること」の3つの要素が必要だと話した。
マーケティングとセールスは対立することも多い。それに対し高田氏は、「対立はするが、ブランディングは中長期的な利益、セリングは短期の利益、両方とも利益に貢献する」と話す。しかし「短期の利益に貢献しているほうが社内での発言力が大きくなることが問題。CMOが拒否権を持っているのが理想。」と話した。
最後に高田氏は会場に集まった若いマーケターたちに向け「僕なりのマーケターのあり方は、人よりも1歩ではなく半歩前の生活感覚を持っていく必要があるということ。すごく進んだクリエイターとも話ができるし、田舎のおじさんとも話せる、そんなマーケターが理想では」とメッセージを送った。
「JAPAN CMO CLUB」の活動報告は、随時、宣伝会議運営のWebメディア「アドタイ」にてレポート中です。
http://www.advertimes.com/special/cmoclub/
(本組織はセールスフォース・ドットコムと宣伝会議が共同で設立したものです)