スマートスピーカーや自動運転車など私たちの生活に少しずつ浸透しているAI。宣伝部はAIをどのように活用して、広告の未来はどうなっていくのか、日本マイクロソフト エバンジェリスト・業務執行役員の西脇資哲氏に聞きます。
AI時代の到来に危機感を持って臨もう
日本マイクロソフトでは、重要なテクノロジーキーワードのひとつとしてAIを捉えています。私は普段エバンジェリストとしてAIの知見が世の中にたくさん広まるように伝えることを仕事にしています。そこで、私の立場からAIと企業のこれからを予測し、お話ししていきたいと思います。
いま世界で、多くの企業がAIを活用したソリューション開発に力を入れていますが、当社を見ても、今後は世の中に登場させる製品のほとんどが、AIに関連させた製品ばかりになると言っていいくらい、注力しています。
残念なことに、現状ではAIの活用はメディアで話題になっている、わかりやすい部分にしか、私たちの目は届いていません。例えば、自動運転車など。しかし、AIの活用には、マーケティング領域はもちろん、多くの可能性があります。そう考えると一般の人たちはまだAIの恩恵を受けていないのではないかと思います。
ところが先進的な企業や若い企業、経営者及び企業の経営陣のアンテナが非常に高いところでは、「AIで何かビジネスをしたい」あるいは「いま、人手でやっているものをAIに変えてコストダウンを図りたい、迅速化を図りたい」とすでに模索が始まっています。
なぜAIに対して関心がある層とない層が存在するのか、私はその違いを「危機感」のあるなしだと考えています。おそらく現在、私たちがやっている活動のほとんどの部分でAIは活用できます。そのため、人間が自ら行う仕事は減っていくと思います。なぜなら、人間は疲れると(1)生産性が低くなる、(2)すべて同じ品質で作業をすることが難しい、(3)思わず忘れてしまう、といった傾向があります。
一方のAIは「疲れ、質のばらつき、忘れ」がありません。私たちの生活はAIによって一変するでしょう。そして、それはもう遠い未来ではなく、間もなくです。
AIの活用で、広告はより効果的で能動的に機能し始める
AIの可能性に気が付いている企業だけでなく、すべての企業にAIの活用を浸透させるために私がお伝えしたいのは、(1)AIによって仕事が変わるという意識を経営層が持つ、(2)ビッグデータを大事にするということです …