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変わる、広告戦略の今

スペシャリストかジェネラリストか 宣伝部門の人材育成をどう考える?

山田真一郎氏(マネックス証券)

インターネットで金融取引を行うマネックス証券では入社4年目でジェネラリストとスペシャリストに分かれ、それぞれのキャリアを形成。金融商品がよりグローバルに、より専門性を深めていく中、同社はどのように人材を育成しているのか。理想のマーケター像と育成方針について営業本部マーケティング部長の山田真一郎氏に聞きます。

若い社員が気にするのはキャリアのポータブル性

私が所属する営業本部のマーケティング部は当社のお客さまに株式、投資信託、FX為替証拠金取引などの金融商品を安心してお取引いただくように営業する部門です。当然、営業部門ですから営業成績などの数字についても責任を負いますが、管理職として部員一人ひとりが自身のキャリアイメージに合わせて成長できる環境づくりをするのも大事な仕事になっています。

当社でのキャリア形成において、カギになるのが入社4年目以降での「ジェネラリスト」か「スペシャリスト」かの選択です。新卒で入社すると基礎研修を経て、3カ月程度コールセンターで、実際のお客さまと会話をしながらお客さまを知る機会を得ます。その後、各部門に配属され、自らの希望や適性を見極めて、「ジェネラリスト」と「スペシャリスト」との2つの職種に分かれます(図表1)

図表1 マネックス証券のキャリアステップ形成例

私が統括するマーケティング部で言うと、現在、15名の部員の多くがスペシャリストの部員です。人事ローテーションが多い日本企業の場合、マーケターの人材育成に課題を感じている方も多いと聞きます。スペシャリスト、ジェネラリストの2つの職種が混在する当社で、マネジメントをしながら感じることは、全員が同じような領域をカバーして仕事をするのでは、広がりが見えないということです。個人それぞれの強みを生かして戦略を立てることで、新たな事業の幅を広げることができると考えます。

ジェネラリストとスペシャリスト、それぞれの利点

マーケティング人材の話を深める前に、当社の人事制度に見られる、スペシャリスト、ジェネラリストの違いについて説明したいと思います …

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