第三の収入源を模索 各社で新規事業の企画を強化
販売、広告の2大収入がともに減少する中、新聞各社で今春、収益力の向上を目指す再編が相次いだ。主眼は新規事業の開拓と、広告主企業の需要に合わせて社の資産を活用する営業力の強化だ。各部局、グループ会社や販売店の社員も含め、情報や人脈を余すことなく活用する狙いもある。
大分合同新聞社は「新聞事業本部」と、新規事業の開拓を目指す「経営企画本部」の2本部制となった。販売・広告以外の収入の割合を増やしていく狙いがあるという。経営企画本部は長野景一代表取締役社長が本部長を務め、総合企画局に経営戦略室、財務企画室、デジタルメディア戦略室、リサーチ室を設置。各室には局長級の専任室長を充てている。経営判断を早めるため、少数精鋭で臨むという。不動産事業や、後継者不足に悩む企業の買収・合併などが有力な開拓分野だ。
高知新聞社は社長室直属の経営企画部を総合企画室に格上げし、新規事業の企画を強化。NIB(Newspaper in Business=ビジネスに新聞を)など各部門が乗り入れる既存事業の拡充も主導する。
下野新聞社は販売・広告に続く第三の収入源について調査・研究する事業戦略室を新設した。
会社の持つ資産をフル活用 組織と業務の縦割り打破
社の資産を生かした収入の増加に向け、営業力を強化する再編が進む。広告局や事業本部など営業関連の8部局を集約し、営業総本部を発足させたのは毎日新聞社。第一・第二営業本部、ビジネス開発本部、事業本部を設置した。大阪、中部、西部、北海道の4本支社の営業部門が第一営業本部の管轄となる。組織と業務の縦割りを打破し、社の営業資源を効果的に売り込む「総合営業」を目指すという …