アジア太平洋地域の優れた広告キャンペーンを表彰する、地域最大級の広告祭「アドフェスト 2018」が3月、タイのパタヤで開かれた。「Transformation」をテーマにした今年、各国から2823件のエントリーがあった。各部門の最高賞・グランデを受賞した作品の中から、社会にインパクトを与えた事例を紹介する。

01 インテグレーテッド&モバイル部門:Colenso BBDO
犬との「養子縁組」を楽しくサポート
マース ペティグリー「The Child Replacement Programme」「Pedigree SelfieStix」



ニュージーランドに拠点を置くColenso BBDOは、マースのペットフードブランド「ペティグリー」で展開した2つのキャンペーンで最高賞を受賞した。このうち、異なる種類の媒体を活用した作品が対象となるインテグレーテッド部門で受賞したのは、捨てられるなどして保護された犬と子どもが独り立ちした中高年の仲を取り持つキャンペーンだ。
居間に飾られた息子の写真は犬に置き替わり、着ていたジャケットは犬用に仕立て直された。子どもが進学や就職を機に出ていってしまった家で、思い出に浸る間もなく犬をかわいがる親と、息子・娘の後釜として収まる犬たち。
「子どもが巣立ったなら次は犬」というメッセージをストレートかつコミカルな表現で伝えた動画は、映画、テレビ、Webで展開された。ラジオやSNS、屋外広告も活用しながら、地域の動物保護施設やシェルターなどから、自身の子どもと似た特徴を持つ犬を探せるキャンペーンサイトへの誘導を図った …
あと70%