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クリエイティブの「種」、のようなもの

企業の「筋肉」を鍛える、社内コミュニケーション

小助川雅人氏(資生堂)

人々の心を揺さぶり、行動を喚起することを目的とする「広告」。まだ誰も見たことがない新しい表現を通じて、自社ブランドの魅力を強烈に訴求することを求められるインハウスクリエイターは、日々、どのような物事からインスピレーションを得ているのでしょうか。資生堂 クリエイティブ本部の小助川雅人氏が、「広告」の枠組みにとらわれず「気になった」ものを毎回セレクトし、クリエイティブワークに生かせそうなポイントを考察します。

インハウスのクリエイティブディレクターにとっては、広告クリエイティブのみならず、インターナルなコミュニケーションも重要な仕事となりつつある。もちろんすでに、商品開発の風上の部分から入りこむことは様々なブランドで行われているが、ここでの話は、社員一人ひとりがどのようなモチベーションを持って仕事に取り組むか、というマインドセットに関わる領域のことだ。

SNSの浸透は企業広告の有り様を根本から変えることとなった。人々は、企業のまとう見た目の美しい「衣装」より、その内側にある「肉体」に目を向けるようになった。今までの企業広告が美しい「衣装」を仕立てる作業だとしたら、これからはそれをまとう「筋肉」をいかに鍛えられるか、その方法を一緒に考える、という作業になりつつあると思う。

その企業が、あるいは社員一人ひとりが、どのような姿勢で社会に貢献しようとしているのか、それを言語化し、視覚化し、共有化していくことは、回り回って全てのアウトプットのクオリティに影響を与えることになるだろう。

通常そのような内容は、経営戦略や、人事の部門が考えること、と思われるかもしれない。しかしそれが「どのように伝えるのか」という段階になると、クリエイティブ部門の出番となる …

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