広告・コミュニケーションの手法や表現の可能性を大きく広げてくれる、最新テクノロジーの数々。「CES」や「SXSW」といったイベントに熱い視線が注がれているのも、そんなテクノロジーへの期待の高まりの証左と言えます。
しかし、そんな時代だからこそ、「テクノロジーありき」で発想してしまうことの危険性を、インターネット育ちのプロデューサー・富永勇亮氏は指摘します。本連載では、広告・コミュニケーションのあり方を変えるような先進テクノロジーや、その活用事例を紹介しながらも、テクノロジーに踊らされることがないよう、マーケターやアドパーソンが押さえておくべき視点や考え方を提示します。
SXSWの開催地、オースティンは私にとって思い出深い街だ。2015年SXSWのピッチイベントに「Lyric speaker」チームの一員として参加し、Best Bootstrap Companyに選ばれた。ピッチは過酷で最初は短い時間のプレゼンと質疑応答なのだが、徐々に分数が延びていき、毎回審査委員も変わる。その度に尺が延びた分の説明ページをつくり、プレゼンを再検討する。仮眠をとっては会場に向かうことを繰り返した。
その時の移動手段として活躍したのが自動車配車サービスのUberだった。Uberの説明は割愛するが、この街の配車サービスの栄華盛衰はドラマチックで面白いので、流れをまとめたい …
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