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広告の舞台裏

アイドルグループ活動にみる クレディセゾンの新しい広告の形

クレディセゾン

クレディセゾンとその関係会社の社員から選出された女性メンバーで結成される「東池袋52」。同社 戦略企画部長(兼)広報室担当部長の相河利尚氏に、グループ誕生の背景や、同社の広告に対する考え方を聞きました。

「東池袋52」のジャケット写真

メインビジュアル

然るべきときだけに打つマス広告 「オンリーワン」のポリシーを貫く

足立:社員がアイドルのように歌って踊るテレビCMが印象的な「東池袋52」ですが、これだけ大成功ですと、反響もすごかったのではないですか。

相河:最初は一曲しか考えていなかったのですが、まさかここまで拡散するとは、想像していなかったです。

足立:「東池袋52」はどのように誕生したのですか。

相河:ここ数年は、若年層にどうメッセージを発信したら他社との違いを伝えきれるかという点が大きな課題になっており、「若い人に向けてのセゾン」を打ち出したいと考えていました。当社はもともと、それほどマス広告は使ってないんです。本当に大切な時期に、「良いものができたときにやる」という感覚があって。

それはクリエイティブを担当していただいている仲畑貴志さんも理解してくれていて、「広告が第一じゃないんだ。しかるべきタイミングで、その企業に必要なときにやれば良い」とおっしゃってくださっているのですが。だからこそ、若い人に向けてのメッセージもどういうタイミング、どういうコンテンツで発信するか、を悶々と考えていたんです。

答えが出ないまま時間が過ぎていく中で、アイドルグループの欅坂46が「二人セゾン」という曲を出すときに、「これは利用できるのではないか」と、閃いたんです。そこで、仲畑さんに相談したのがきっかけです。

足立:それが「東池袋52」につながっていったんですね。リリース当時はすごく話題になっていましたよね。

相河:「クレディセゾンのアイドルグループ」とネット上で話題になりましたし、リリース当日の拡散力は圧倒的でした。ネットの強さは想像以上ですよね。まったくテレビメディアを使っていない中、フジテレビの「めざましテレビ」に特集を組んでいただいたりすることで、全国の方に届くようになりました。

足立:素晴らしいですね。その次の展開は、事前に考えていたのですか。

相河:デビュー後の盛り上がりを受けて、次の展開を考え始めました。当初は一回限りの企画で、多くの人に楽しんでいただきつつ、社内も盛り上がって元気になるようなインナーブランディングになるようにということまでは考えていました。話題が広がる中で次に何をするかは、その都度、話し合いながら決めていった感じです。

足立:社内の反応はいかがでしたか。

相河:初めは遊びと思われて、そんなに応援団がいませんでした。唯一、当社のトップは「おもしろい」と言ってくれていましたが、それでも社内は活動に懐疑的でしたね …

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