2008年に米国シアトルで行われた「ラテアート ワールドチャンピオンシップ」でアジア人初のチャンピオンとなった澤田洋史氏。現在、米国の激戦区で現地の方に親しまれるカフェを営んでいる澤田氏に、バリスタとしての挑戦やこだわり、米国のカフェで日々行われるコミュニケーションについて聞きました。
抹茶とほうじ茶で米国に新店舗 日本人ならではの味が人気に
米国シカゴで「sawada coffee」のオーナーバリスタを務める傍ら、2月26日には2号店として「sawada matcha」をオープンするなど、活躍の幅を広げる澤田洋史氏。米国では店舗の経営をしているが、日本では自身の店舗は持たない活動スタイルで、昨年はマンダリン オリエンタル 東京のコーヒー監修や、原宿にあるニューバランスのフラッグショップにおけるカフェのプロデュースなど、幅広くカフェ事業のプロデュースを手掛けている。
今年の2月にシカゴにオープンした「sawada matcha」では、抹茶とほうじ茶をメインに扱う。なぜ、バリスタの澤田氏が日本のお茶に着目した店舗をオープンしたのだろうか。その理由は、2015年にオープンした「sawada coffee」のメニューにある。
澤田氏はコーヒーメニューだけでなく、日本人だからこそ手掛けることのできる、日本をイメージしたメニューを提供してきた。そのメニューのひとつとして抹茶とエスプレッソを混ぜて迷彩柄にした"ミリタリーラテ"や、ほうじ茶にエスプレッソを加えた"ブラックカモフラージュラテ"を加えたところ、1日の全体の売上およそ600~700杯のうち、約3分の1を抹茶とほうじ茶のメニューが占めるほどの人気があった。当時シカゴにはまだ抹茶とほうじ茶をメインで取り扱っている店舗がなかったため、「sawada matcha」のオープンを決めたのだという …