45万8944点の全応募作品の中から一次審査を通過したのは、わずか1.1%。一次審査を担当いただいた審査員の方々に、第55回「宣伝会議賞」について講評いただきました(五十音順)。
赤城廣告 赤城廣治
いいコピー、イコール、いい視点。その商品&サービスを手にした人はどんな気持ち?それがなかった時、人はどんな悩みを抱えてた?それがあることで、その人の毎日に、どんな幸せが生まれる?商品を言い当てるだけでなく、届けたいコピーの先にいる人をどれだけ想像できたか。そこが大切だと応募コピーから改めて教わるのです。
電通 阿部光史
企画の前にすべきポイントを3つ。(1)ブリーフをしっかり読む。商品やサービスを誤解してると審査は通りません。(2)ターゲットを理解する。面白くてもターゲットに合致していない案は通りません。(3)競合との優位性ポイントに触れる。ココがズレている人も多いのです。上記を外さずに企画すれば審査通過の確率が上がるので是非!
大広 生駒達也
そのコピーを見た人がどう思うか。何を感じるか。どんな印象を残せるか。どんな行動を起こすか。そんなことを想像しながら、自分のコピーを見直してみてください。驚かす、喜ばす、笑わす、泣かす、怒らす、焦らす、気付かす、困らす・・・コピーは、見る人の心を何らか動かそうと企てた言葉になってなきゃいけませんよね。
電通 石田文子
いいコピーって、裸の王様に出てくる子供みたいなとこがあるな、と思っています。みんなが「いいねいいね、王様の服」と言ってるところに「え、ぶっちゃけ裸じゃね?」と。そしてみんながハッとする。審査をしていてそういうコピーに出会うとニヤニヤ嬉しくなります。自分もそんなコピーを書きたいです。
電通 岩田純平
毎年書いているかもしれませんが、課題を見てパッと思いつくようなことは他の人もパッと思いついちゃってることが多いです。特にダジャレ。それも出していいと思いますが、そこからどこまで考えられるかの勝負なのではないかと思います。コピーは意外と考えている時間が透けて見えてしまうものなので。
新東通信スケッチ 岩田正一
課題を選ぶ。資料を見る。アイデアを出す。いくつものコピーを書く。応募者が「宣伝会議賞」に取り組む姿をいつも想像しながら、審査をしています。みんなの力作を見逃してはいけない。その作業は、緊張感があって楽しかったです。
電通 上田浩和
ぼくが担当した課題の商品とぼくは、無関係の生活をおくっていました。それでも、その商品に対して優しいコピーを見ると、だんだん興味がわいてくる。意地悪なコピーを見ると気持ちが離れていく。そんな感じで、けっこうなユーザー視点で選ばせていただきました。
I&S BBDO 上野達生
熱量が凄く、毎年審査の時は忘れかけていた初心を思い出します。コピーらしくないコピーが増えているように感じました。SNSから新しい言葉が生まれています。その影響でしょうか。言葉は進化するものですね。受賞者の皆さま、おめでとうございます!
モメンタムジャパン 梅澤俊敬
勢いのあるコピーをたくさん見て「俺も書きたいなー、書かなきゃなー、やべえなー」と思いました。
電通 梅田悟司
真摯なコピーが目立ち、好印象を受けました。賞モノとなると「面白い言葉で一発狙ってやる!」という邪な気持ちが生まれるものですが、実際の広告として出稿できる質の高いものが多かったです。切り口のユニークさを超えた、志やビジョンの高さを意識すると、今までとはひと味違った言葉を生み出せるようになるはずです。
西鉄エージェンシー 占部邦枝
上手なコピーが増えたなぁという印象。すぐにでも使えそうな。でもどこか破けたような、印象に残るコピーは逆に減ってしまったような気がしました。公募の広告賞だしもっと大胆になってもいいのかなと思います。あ、下ネタに走れ、ってことではないですよ。念のため。
O 呉 功再
こんな写真、こんな場所、こんな映像、こんな企画、どんなこんなもなにもなく純粋にことばだけで勝負。いまにもはじけそうな、たっぷんたっぷんと意味や世界がつまったことば。あらためて、コピーって面白いです。
モノ・カタリ。 大岩直人
素敵なコピーがいっぱいありました。「うまいこと言うなあ」「これ、意外性があっていいなあ」「フックが効いた表現だなあ」……でも最近、自分の中で表現の「恣意性」に対して過敏なところがあるようで、最終的には、自然で理にかなった、噛めば噛むほど滋養が染み出てきそうなコピーを選ばせていただいた気がします。
電通クリエーティブX 関西支社 岡崎数也
熱意や野心が、コピーの新しさや強さになるのだとは思いますが、自分の技術披露が優先されているコピーが多かったです。残念。コトバを捻り出すのではなく、商品と社会との「良き関係性」を描くことが大切です …
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