机上の空論では終わらせない 実用化まで落とし込みたい
早稲田大学の森島繁生教授が主に研究をしているのが、コンピューターグラフィックスの分野だ。この分野の研究には音声から画像の解析、AIまで幅広い知識とノウハウが必要不可欠となる。
現在、同氏は自身の研究を行うだけでなく、自身の受け持つゼミ生の研究サポートにも力を入れている。一般的にゼミでは各自の研究に関する論文執筆と成果の発表を経て卒業するケースが多いが、森島ゼミではアプリ実装し、特許を取って実用化するところまでを目指している。学生自身が研究成果を企業に持ち込む場合もあれば、学会・展示会などを通して企業から学生に声がかかることもあるという。
「安全・安心な社会の実現やコンテンツの文化的な振興、業界の活性化などに貢献できる技術開発することを目標に掲げ、日々研究に励んでいます」と森島氏はゼミ生との研究目標を話す。
実際に、同氏らの研究は業界問わず注目を集めている。例えば、すでに販売されているゲームタイトルでも、登場するキャラクターの皮膚の質感をリアルに高速再現する際の技術として採用されているほか、文部科学省のプロジェクトでは「経年変化顔シミュレーション技術」として、写真の顔から10年前の顔や10年後の顔などを再現できるシステムをつくり上げた …
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