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進化するデータ デジタル時代の「テレビCM」活用

テレビならではの価値を最大化する、コカ・コーラの活用戦略

日本コカ・コーラ 山下広樹氏、伊勢本真也氏

平昌2018冬季オリンピック期間中、日本代表選手団がメダルを獲得した直後に、内容と連動したテレビCMが流れる…。そんな見る人をアッと驚かせるクリエイティブが大きな話題を集めた日本コカ・コーラ。クリエイティブを担当した山下広樹氏と、同社でコネクションプランニングを担当する伊勢本真也氏に本企画の舞台裏、そしてCM活用における戦略を聞きました。

綾瀬はるかさんと髙橋大輔さんを起用したテレビCM「夢の舞台」篇(写真左・中央)のほか、競技放送後に流した結果を祝福するCMも話題を呼んだ(写真右)。

4年に一度のイベントだから開幕前から盛り上げる

日本コカ・コーラは、1月8日から"ウチのコークは世界一"をテーマに、家で飲むからこそ楽しめるコカ・コーラを訴求する「『コカ・コーラ』平昌2018冬季オリンピックキャンペーン」を行った。中でも平昌2018冬季オリンピック開催期間中に、女優の綾瀬はるかさんを起用したテレビCM「夢の舞台」篇と、競技放送後に流した「乾杯」CMは大きな話題となった。

昨年から家庭内での飲用を訴求する施策を考えていた同社にとって、オリンピックは非常に相性の良いイベントだったという。

テレビCM「夢の舞台」篇について、日本コカ・コーラ マーケティング本部 IMC コネクションプランニング&メディア シニアマネジャーの伊勢本真也氏は、「これまでオリンピックに連動したCMと言えば、コーポレートブランディングを目的とした企業広告的なものが多かったと思います。そこを今回コカ・コーラの家庭内飲用に訴求点を絞ったのは、チャレンジでした。オリンピックは家にいながらにして楽しめる、世界を代表するコンテンツです。キャンペーンとしての効果を追いながらも、いかにしてオリンピックを盛り込んでいくかがポイントになりました。そこで『夢の舞台』篇では、オリンピックに関わるシーンで始まりながら、最後は綾瀬さんが家で友だちとコカ・コーラを飲む場面に落とし込むストーリーを企画しました」と話した。

CMクリエイティブを担当した同社マーケティング本部 IMC コンテントエクセレンス グループマネジャーの山下広樹氏は、「コカ・コーラならではの美味しさ、オリンピックのスポンサーであるコカ・コーラだからできることを考えてたどり着いたのが今回の施策でした。オリンピックをテレビで観戦する楽しさ、コカ・コーラを飲む楽しさを伝えることが狙いでした。『夢の舞台』篇が放映開始になった1月はまだオリンピックが盛り上がっていない時期だったので、"オリンピックが始まる"ことを綾瀬さんとフィギュアスケート選手の元世界王者で現在はプロフィギュアスケーターの髙橋大輔さんを起用することで、想起させました。開幕まで盛り上げ、コカ・コーラとオリンピックのアソシエーションを表現できたと思います」と振り返った。

選手の競技結果をCMで祝福 ライブ感ある演出が驚きをよんだ

オリンピック開催期間中に話題になったのが、競技放送後に流した「乾杯」CMだ。日本代表選手団の結果に伴って、綾瀬さんがその競技の結果を祝福する内容で「どんな仕掛けになっていたの?」と視聴者の関心を呼び、話題となった …

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