UNCOVER TRUTHは1月24日、「~ユーザー視点で優れた顧客体験を実現する~ビジネス成果に直結するグロースハック実践セミナー」を宣伝会議にて開催した。前半はグロースハックの実践事例を紹介。後半は実際のマーケティングの現場で活躍する国内の先進企業3社のマーケターが、それぞれの顧客体験の取り組みについて語った。
顧客のニーズを捉えてスピーディーに解決
第1部では、Web上のユーザーの行動をデータで分析、データドリブンでグロースハックを行い、サイト改善するサービスを提供するUNCOVER TRUTHの小畑陽一氏が登壇。同社が提供するWeb上でユーザーの行動を可視化するヒートマップツール「USERDIVE」の概要をグロースハックの実践事例と共に解説した。
小畑氏はデータドリブンなWebサイト改善に注目する理由について「勘と経験ではなく、実際のユーザーの行動が蓄積されているデータを活用することが大事。アクセス解析をもとに、サイトの全体像やボトルネック、ポテンシャルを把握し、さらにヒートマップを用いてより深く分析することにより、ユーザーにとってどのような情報が必要なのか、どのような誘導動線をつくることがニーズを満たす状態なのかを把握し施策に落とし込み、ABテストで効果のあったものをサイトに反映させている」と説明した。
さらに「USERDIVE」を活用して課題を解決、効果を得た企業の事例を紹介。富士フイルムは、写真アルバムをWebから注文できる「Photo Book」のページを対象に「最初から無料版でいいと考えているユーザー」と「有料版に興味を持っても無料版を選んだユーザー」を分析により明らかにし、後者の迷いを解消して有料版に導いた。
また国内便と台湾便を就航するバニラ・エアの場合、国内便のユーザーと台湾便のユーザーでは注目するコンテンツが異なることがわかった。それぞれ彼らが望む情報にアクセスできる回遊動線をつくり、成果を上げた。
小畑氏は「Web上の顧客データからユーザーニーズを改めて発見して真のユーザーニーズに寄り添ったサイト設計をし、再構築をする。実際のユーザー行動から学び続ける姿勢は重要だ」と述べた。
第2部ではドミノ・ピザ ジャパンの富永朋信氏、良品計画の川名常海氏、Peach Aviationの千歳敬雄氏が登壇。実際マーケティングの現場でどのように顧客体験を考えて取り組みをしているのか「顧客体験」をメインテーマにして、「グロースハックのイメージ」「マーケターが消費者の視点を持ち続ける秘訣」「オフライン・オンラインの体験の向上」「アウトソーシングの活用」など幅広いテーマでの意見交換を行った。
まず3氏が捉えるグロースハックのイメージは「データと共に観察も大事」(川名氏)、「グロースハック的に動くときのハードルは『アイデアに対する度量』」(千歳氏)、「バイキングのようなマインドセット」(富永氏)との声が上がった。
次に各社が取り組む顧客体験について、川名氏からは無印良品の商品であるマッシュルームの缶詰が、ある主婦の疑問から始まったことを例に、顧客と会話をすることの重要性が語られた。関西を拠点に4時間の同心円で南へ飛行ルートを伸ばしているPeachの千歳氏は「飛行機のドアが閉じられてから目的地に到着するまでの『4時間の密室』でいかにサービスのエクセレンスを追求するか」とビジネスの機会を探る姿勢について述べた。
一方、富永氏はサービスを提供する側のマインドセットについて言及。宅配から店舗接客にビジネスモデルが移行する中、接客方法を身につけるなど店員にもマインドセットが必要であると強調した。
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