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REPORT

広告主の視点で見たCES─テクノロジーが、ストーリーテリングを変える。

玉井博久(江崎グリコ)

CESで紹介される最先端のテクノロジーは、マーケティングの在り方さえ変えてしまう可能性がある。江崎グリコの玉井博久氏が、広告主の視点からマーケターに役立つ情報を紹介する。

毎年注目の「CES Unveiled Las Vegas」の会場。

消費者のライフスタイルを変化 CESで紹介されるテクノロジー

イベント開催前日に行われたメディア向けイベント「2018 Tech Trends to Watch」によると、今年の見どころは「Ingredient Technologies」「In The Market」「Emerging Tech」の3つになる。ひとつ目の「Ingredient Technologies」は、これから様々な分野に応用される可能性を持つテクノロジーで、代表的なものに5G、AI、Roboticsが挙げられていた。

特に5Gは、これまで4Gが2時間の映像のダウンロードに6分かかったのに対し、たったの3.6秒しかかからない。データの通信スピードが劇的に改善されることで、通信分野はもちろん、自動運転車やAR・VRなど、様々な分野への応用が期待される。

またAIは、身の回りの物に搭載され、生活者と会話するフェーズに入るようだ。そしてRoboticsは、一般の消費者市場で取り扱いされる商品が、ますます誕生してくると予想される。例として、抱き枕ロボットが紹介されていた。

2つ目の「In The Market」にはNative Interfacesが紹介された。その代表格としてボイス(音声)が挙げられる。ボイスは第4の販売チャネルになりえるほどの可能性があると紹介された。その他、指紋認識、顔認識など画像認識も取り上げられた。

さらにRealism Redefinedという概念として、VR・ARによるMarket JouneyがB2C、B2B、それぞれで生まれてくると述べられた。特にコンテンツ、ストーリーテリングをVRとARが劇的に変え、SNSもVRスペースができるという。

3つ目の「Emerging Tech」ではSmart CitiesとSports Innovation、そしてDigital Therapeuticsが紹介された。米国ではSmart Citiesへの取り組みが進み、Sports Innovationも運動量の可視化のほか、開催地のデジタル化などの取組みも広がっているようだ。そしてDigital Therapeutics。従来も健康状態を可視化するサービスはあったが、今後はこの分野が爆発的に広がる見込みだ。

テクノロジーが実現するパーソナライゼーション

「CES Unveiled Las Vegas」というスタートアップや大手企業が開発したプロダクトの展示会で目に付いたものをいくつか紹介する。まず、「インソール」がある。靴の中に入れておくと活動量や取得したデータから、生体力学的な分析をしてくれるプロダクトだ。次に、目についたのが「鏡」 …

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