メディア解析の進化でCMの視聴態度も把握可能に
音や画像メディアの解析・認識・生成・変換を主に研究しているNTTコミュニケーション科学基礎研究所の柏野邦夫氏。同氏は東京大学でも客員教授として教鞭を執っている。現在の研究テーマのひとつは非言語情報の解析と生成だ。
「検索エンジンや翻訳など、言葉を扱う技術は近年非常に進歩した。この言語情報処理の技術のベースは情報の照合や対応付けで、いわゆる"辞書を引く"という機能がその基本。一方で音や画像には、言語に付随する情報や言語とは直接対応しない情報も含め、非言語の情報も豊富に含まれる。このような非言語情報に対しても"辞書を引く"機能を実現し、情報の持つ意味の世界に迫りたいというのが、この研究を行う動機」と柏野氏は話す。
このようなメディア情報の抽出や解析により、新たな価値創造やより豊かなコミュニケーションの実現を目指しているという。
こうした辞書引きの最も基本的な機能は、例えばCMがどのように放映されているか、またそのCMに消費者がどのように接しているかの把握をする目的などのために、すでに実用化され使用されている …
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