観光情報紙の発行や現地イベントを展開
海外からの観光客を誘致し、地元経済の活性化を狙う動きが地方各紙で広がっている。外国で地元の魅力を直接訴える新聞社や、現地で無料の観光情報紙を発行する社もある。誘致活動を新聞社の収益につなげ、事業をいかに継続するかが鍵となる。
山形新聞社は台湾の女性誌「VOGUE TAIWAN(ヴォーグ台湾)」と提携し、2017年2月号で山形県内の観光地を紹介する特集企画を展開した。創刊140周年に合わせた企画「けらっしゃい YAMAGATA プロジェクト」の一環。県を訪れる外国人の過半数を占める、台湾からの観光客誘致を柱に据え、現地の若い女性に地元の魅力を訴求した。若い女性読者はSNSの活用に長けており、その発信力や拡散力に期待の目を向けた。
3月には台北市でプレス向けの観光促進イベントを開き、県の工芸品である和傘や食文化、酒などを紹介。現地の新聞社、放送局など31社45人が参加した。
北海道新聞社は16年7月のバンコク支局開設以来、東南アジア諸国からの観光客誘致に力を入れる。16年7月、17年2、8月の3回にわたり、タイ・バンコクでの国際旅行博覧会に出展。道内の観光地や名所をアピールした。狙いは現地での誘致活動を通じた地元経済の活性化。同社はインドネシアでの事業展開にも取り組んでいる。
琉球新報社は16年6月、台湾からの観光誘客を目的とした情報紙「来去沖縄渡暇去!」を創刊。これまで3度発行した。タブロイド判16ページ全カラーで、沖縄本島の景勝地や離島を紹介する。「新聞社の編集力や発信力は大いに生かせる」と担当者。沖縄経済の柱の一つである観光産業への貢献を目指す …