2020年の東京五輪に向け、スポーツに対する社会的関心が高まりつつある。スポーツ産業以外の企業が、その価値を生かすこともできるのか。6回の連載を通してスポーツを生かす6つの視点を解説していく。
開催まで3年を切った!東京オリ・パラへの期待
2020年東京オリンピック・パラリンピック開幕まで、あと2年と半年だ。1964年以来の夏季オリ・パラが遂に日本にやってくる。前回の東京大会は私が誕生する5年前に開催されているので、自国開催のオリ・パラがどれだけエキサイティングで、どのように人々が熱狂して、日本、そして東京がどれほど熱気ある国や都市になるのか、想像することもできない。
私にとっても、これまでに一度も経験や体験したことのない「異次元空間」になるだろう。過去にロンドンや北京での開催時に現地で観戦したが、自国ではない開催地であるにもかかわらず、毎日心が躍り興奮覚めやらず、常に夢心地であった記憶がある。
私自身、自他共に認めるスポーツマニアで、多岐に渡る競技を普段から観戦しているが、それでも全競技を同じ興味や好奇心で見ることは不可能に近い。もちろん興味の高低はあるが、ことオリ・パラになると、この考えや意識は一変する。どの競技を見ても、楽しいし燃えてくるし、常に熱い気持ちとその裏に感動が沸き起こってくる。2020年には私自身がどのように変化するのか、全くもって想像できない。
水泳にラグビー続々と開催される世界大会
少しばかり意識が先に進んでしまったようである。今は2017年12月であり、2020年に到達する過程には2018、2019年と日本のスポーツ界にとって重要な2年がある。2018年の夏には16年ぶりにパンパシフィック水泳選手権が日本にやってくる。オリ・パラや世界水泳と並んで4年間隔で開催される世界最高峰の水泳大会である本大会に、世界のトップスイマーたちが虎視眈々とゴールドメダルを目指して来日する。
昨今、男女共々、高いレベルの成績を残している日本のトップスイマーたちと世界の強豪がどのような戦いをし、2020年に向けてさらなる盛り上がりを示すような世界と日本の強豪選手たちの複数年に渡る「GREAT STORIES」に期待がかかる。
そして2019年には約2か月に渡って開催されるラグビーワールドカップ日本大会がある。ラグビーワールドカップはオリ・パラやサッカーワールドカップと比較しても、参加各国の熱狂度や観戦者の競技理解度、そしてメディアを通じての視聴者数などは、引けを取らない。日本国内においても、前回大会で日本の際立った躍進が見られたため、その「継続」さらには「進化」が日本代表に期待されており、地元開催における過去最高の成績を残すことが「NEXT SUCCESS STORY」となっている …