11月24日、宣伝会議・東京本社(東京・表参道)にて「成果につながる国内外・最新コマースマーケティング事例」セミナーが開催。現代のEコマースにおけるシームレスで、ストレスフリーな体験の重要性について、さまざまな企業の実例をもとに議論が行われた。
先進企業の取り組みに学ぶ ストレスフリーなECサイト
第1部のパネルディスカッションでは、まずメガネスーパーの川添隆氏が、ECサイト上での決済段階での利便性の重要性について触れた。「コンタクトレンズの購入はそもそも楽しい体験ではない上、前回と同じ商品を買うことが多い。そこで同じ商品がすぐに注文できる仕組みやLINEログイン、Amazon Payを導入することでストレスを軽減させている」(川添氏)。
また、ファンケルの河内達也氏は、ユーザー導線を理解する重要性について語る。「『IBM Tealeaf』を導入し、カート落ちや問い合わせしてきたユーザーの画面を再現させている。そのことで離脱率が高いページなどの改善やシステム改修につなげている。また、カスタマーセンターから無くてはならないツールという声も届くなど、満足度は高い」(河内氏)。
一方で、リクルートライフスタイルの渡辺純子氏は、「SUUMO」や「じゃらん」を運営してきた経験から、企業の一方的な情報発信で消費者を情報過多な状況に追い込んでいる問題を指摘する。「ユーザーが欲しい情報を必要なタイミングに提供する改善を進めた結果、売上は落とさずにメールの配信数を40%削減することができた。また、SNS上のユーザーの声を常にウォッチすることでサイトの改善につなげている」(渡辺氏)。
こうした各社の事例を受けて、日本IBMの樋口正也氏は、「ECサイトは業種や業態によってEC化率も異なり、成功するためのノウハウが大きく違う。様々な業界の知見を蓄えている我々に相談してほしい」と語った。
続く第2部では、日本IBMの樋口氏が「あらゆる接点で顧客を理解し、期待を超えるカスタマー・エンゲージメントの実現に向けて」と題した講演を行った。まずデジタルマーケティング関連企業が5000社を超えていることに触れ、「IBMは自社で様々なソリューションを提供する一方、グローバルで2800社以上、国内では50社以上のパートナーと提携しながら、オープンな仕組みでお客さまのデジタルマーケティングを支援していることが強み」と話した。
その後は、様々な企業の事例を紹介。らでぃっしゅぼーやが、マーケティングオートメーションツールとパブリックDMPを連携することで顧客をより深く理解したパーソナライゼーションによる、ワントゥワンマーケティングへの取り組みが紹介された。
また、顧客体験の改善に取り組む企業に「PCやモバイルの顧客行動分析は、顧客の視点に立ってファクトで分析することが有効」として、Tealeafを使ってUXを改善してコンバージョン率を向上、またコールセンターでのカスターサポートに大きな効果をあげているEC大手企業の事例を紹介した。
さらに、顧客接点が多様化する中、自動車購入のカスタマージャーニーの例を用いて「オンラインと店舗での顧客体験を可視化することで、リアルとデジタルのサービスとコミュニケーションを統合した、効果的なオムニチャネル施策が実現できる」とした。
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