12月4日に宣伝会議・東京本社(東京・表参道)で開催された「読まれるオウンドメディアのつくり方」セミナー。成果につながるオウンドメディアのポイントについて、Webメディア「JION」と各社の担当者が議論した。
Webメディア「JION」がSEOを強化する理由
第1部では、国内最大級の男性向けWebメディア「JION」を運営する成井五久実氏から、ユーザーから読まれるためのコンテンツ制作について講演が行われた。「JION」は女性の視点から"かっこいい大人の男"のライフスタイルを提案するメディア。恋愛やファション、デートなどをテーマにした記事を同社の女性ライターが執筆し、設立から1年で月間読者数200万人を実現させている。
その成長の鍵となったのが「SEO(検索エンジン最適化)」だ。成井氏は、SEOを軸に集客した狙いについて、「商品やコンテンツへのニーズが高いユーザーを、多額の費用をかけずに集められること」と語る。現在、Googleやヤフーなどの検索エンジンは、非リンクだけでなく、読了率や滞在率などコンテンツの品質を重視している。そこで重要になるのが、ユーザーの検索キーワードの把握と、その課題解決につながるコンテンツづくりだ。
「『JION』では検索クエリ数を調査し、注力すべきキーワードを決定。そのキーワードで検索したユーザーの課題解決につながるであろう記事を、テーマを変え20~30件ほど執筆し、それらの『まとめ記事』まで制作している。この一連の施策で、各キーワードに関して網羅性があるメディアと検索エンジンから判断され、流入数が伸びる」(成井氏)。
現在、同社では「JION」で培ったコンテンツ制作のノウハウを企業のオウンドメディア運営に生かすサービスを提供しており、既に複数のメディアに導入されているという。
ケーススタディから学ぶ オウンドメディア成功の鍵
第2部では、ANA、KDDI、ユニリーバのオウンドメディアを運営するマーケターが登壇した。ANAの奥山明恵氏は同社のオウンドメディア「Travel&Life」での取り組みを紹介。「日常的に飛行機を利用しない女性層との接点づくりを目的に立ち上げたが、ターゲットを絞り込み過ぎたため伸びが鈍化した。そこで、若手の男性ビジネスパーソンやファミリー層に向けた、旅先の体験型記事を増やすことで閲覧数を伸ばした」(奥山氏)。
一方で、KDDIの西原由哲氏は、同社の「TIME&SPACE」でのユニークなコンテンツを中心に言及。「消費者の隙間時間に入り込むために通信をテーマにしながらも、骨太や緩い記事を織り交ぜて、飽きさせないように心掛けている。そのことでauではない顧客との接点が生まれた」(西原氏)。
また、ユニリーバの前納有紀子氏は、担当する「AXE」の公式ブランドサイトやSNSでの取り組みを紹介。「ヨーヨー選手権など、ターゲット層が関心を持つコンテンツとタイアップした情報を提供することで、流入数を増やしつつ、ブランドへの共感を醸成させている。この動きを発展させるため、来年は『JION』と一緒に新たなオウンドメディアを立ち上げる予定」(前納氏)。
その他、コンテンツの制作体制や流入数を増やすための取り組みなどについての意見交換が行われ、オウンドメディア運営のポイントが多数紹介される機会となった。
お問い合わせ
JION.inc(担当:JION.inc CEO成井)
E-mail:narui@jion.tokyo