「金融&TEC」「アプリ&ゲーム・トイ」「自動車」「医療」「不動産&エネルギー」「食」「購買&EC」の7業種、「若者」「シニア」「キッズ」の3世代のプロフェッショナルが集結したアサツー ディ・ケイのカテゴリーチームに2018年の注目市場の未来予測を聞く。
デジタルで変わる未来を見据え一歩先ゆく提案を
急速なテクノロジーの進化に伴い、あらゆる産業において「デジタル・ディスラプション(破壊的創造)」が起きている。業界構造も消費者のライフスタイルもめまぐるしく変化をする現在の環境では、一歩先行く未来予測が欠かせない。アサツー ディ・ケイ(ADK)ではこうした環境を見据えて2017年、2013年から活動をしてきた「カテゴリーチーム」の再編成を行った。
カテゴリーチームとは金融を始めとした主要業種に特化した、専門知識と人的ネットワークを有するADK内の専門家集団。現在、「金融&TEC」「アプリ&ゲーム・トイ」「自動車」「医療」「不動産&エネルギー」「食」「購買&EC」の7業種、「若者」「シニア」「キッズ」の3つの世代の合計10の専門家が活動をしている。
カテゴリーチームのユニークな点は、個々の領域に精通した専門家が集まり、大きなひとつのチームをつくっているところ。若者、キッズ&ファミリー、シニアの各世代チームの代表の3名に、ADKのカテゴリーチームの強み、さらに「世代×業種」の融合で導き出されるソリューションの強みについて話を聞いた。
業種×世代の知見を融合し迅速にソリューションを開発
──3人は各世代研究のプロですが、同じカテゴリーチームの業種別チームと連携することで、どんな価値が生まれていますか。
藤本:仕事の中で、各業種別チームと連携する機会が増えています。若者の「〇〇離れ」と言われる商材では、業種と若者研究の双方の知見を掛け合わせた提案が求められます。クライアントの業種について、いちから勉強していると時間がかかりますが、当社では各業種の専門家チームの協力を得られるので、素早くスタートラインに立てる。より深い提案がスピーディにできる環境が整っています。
赤嶋:キッズ&ファミリーの中でもキッズについて言えば、自身が購買者にはなりづらいので、マーケティング領域での世代研究においてはプライオリティが低かった側面があります。ただ不動産でも金融でも食でも、具体的な戦略を考える時には、キッズのインサイト把握が大きな鍵を握ることが多い。若者と同様で、業種チームとの連携が価値を生み出していると感じます。
稲葉:私が担当するシニア世代は市場としての注目だけでなく、世界有数の高齢社会の日本が抱える社会課題とも密接に関わっています。業種別チームと連携することで、単なる世代分析に留まらず、商品・サービスなど具体的なソリューションの形に落とし込んだ社会課題解決のアイデアが提供できるようになりました。
──世代別チーム同士の連携も進んでいるそうですね。
稲葉:若者、キッズ、シニアに加え、アラフォーの4つの世代分析の知見をまとめて2017年、「ジェネレーションブック」を制作しました。各世代が育ってきた時代背景に関する分析を基に、ADKとして世代横断の知識を体系的に集約しています。ひとつの業種に対して、世代別のインサイトを知りたいというニーズも多いので、世代チームの連携もますます強化していく予定です。
──世代の意識も各業界の構造もデジタルの影響で大きく変化しています。
藤本:将来予測を考える上では、デジタルがどう進化・浸透をしていくのかの予測が欠かせません。デジタルが社会をどう変えるのか、そのナレッジは業種も世代も超えた共通事項も多いので、カテゴリーチームでは効率よく情報の収集・分析ができている点も強みだと思います。
赤嶋:デジタルはあらゆる世代に、変化をもたらしますよね。キッズにおいてもプログラミングなど、デジタル化が進展した時代の新しい教育マーケットの可能性が広がっていますが、変化が早すぎて教育制度が追い付けていない感もある。広告会社の発想力、またアニメに強いADKならではの特長も生かして、最近は企業を巻き込んで子供向けのワークショップの開発も始めています。
稲葉:赤嶋が話すように、カテゴリーチームの活動は従来の広告の形に留まらない提案に広がっています。例えばシニアチームでも、金融チームと共に、FinTechが浸透した時代のシニア層向け金融リテラシー教育の可能性を模索しています。
金融チームでは最近、FinTech領域のスタートアップ企業のトップを招いた社内セミナーを開催しました。2018年は大手からスタートアップまで、カテゴリーチームが多様な企業と連携し、新しいソリューションも発表してきたいと考えています。
世代別チームの2018年注目は?
若者チームの注目は「デジタル・デトックス」
デジタル一辺倒からの揺り戻しで、アナログ回帰の兆候が出ています。スマホに一定時間触れないように、部屋にスマホを置いて家のベランダに出るなど、デジタルから意識的に離れる時間を持つ若者も。例えば銭湯など、日常の中の「デジタル・デトックス」を支援する商品・サービスにチャンスがありそうです。
シニアチームの注目は「オタクティブシニア」
昨年から団塊世代が70歳を超え始めたと同時に、ポスト団塊世代が60代に続々流入することにより、シニアの嗜好性もますます多様化。私たちは男性5、女性6の11のタイプに分類していますが、なかでもオタク気質が強くファッション感度も高い「オタクティブシニア」に注目しています。
キッズチームの注目は「ロボネイティブキッズ」
2020年の教育制度改革では、プログラミング教育の必修化が掲げられるなどデジタルリテラシー教育は今後、ますます注目の市場です。「PCで調べる」から「ロボットに話しかけて」疑問を解決する「ロボネイティブキッズ」が日本でも増えていくのではないでしょうか。
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