広告研究の枠を超え体験型のコミュニケーションに注目
学習院大学 経済経営研究所 客員所員 福田怜生氏は物語広告を題材にした研究を行っている。物語を表現形式の側面から捉えたり、あるいは広告を見た消費者がどのような情報処理をしているのかを分析したりと、物語広告を題材に多角的な研究を行っている。
「広告はさまざまな機能を担っていますが、私が特に注目しているのは、物語広告がブランド価値に与える影響です。研究を進めていくにつれ、品質やサービスを前面に訴求しなくとも、ブランドの背景にある物語を題材にした広告を打つことで、実際にそのブランドによって得られる体験を消費者がイメージでき、ブランドに対して好意的になることがわかってきました」。
また、福田氏は消費者の情報処理における重要な要素として「共感」を挙げる。「共感にも、2つの視点があります。ひとつは物語の登場人物の感情を消費者が認識、理解すること …
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