デジタル上での消費者とのコミュニケーションに、積極的に取り組むジョンソン・エンド・ジョンソンでは、若手マーケターが活躍している。2017年にどのような成果を得て、そこから何を学んだのか。28歳のブランドマネージャー3人に話を聞いた。
消費者の変化がデジタルへの移行のきっかけ
──2017年、成果を上げた広告キャンペーンについて教えてください。
宗方:私はビューティーカテゴリー全般を担当しています。最も成功した企画は20代女性をターゲットに、「ジョンソンボディケア」がアパレルブランド「ピーチジョン」とコラボレーションしたキャンペーンです。フォトジェニックなデザインボトルをつくり、“女子力の向上”をテーマにTwitterで製品情報をリツイートした人に抽選でプレゼントを差し上げる企画を行いました。
テレビCMは使わなかったのですが、過去のキャンペーンよりも多くの人に参加してもらえました。勝因は、彼女たちの興味喚起のために“女子力”という文脈の上で、製品の良さを伝達できたことです。
矢野:私が担当するマウスウォッシュブランド「リステリン」で言うと、30~40代男性をターゲットに2月に実施したキャンペーンです。口臭を自分ごと化してもらうために、男性視点から見た「好感触サイン」は、実は女性視点から見たら「口臭を気にしていたサイン」だった、という気づきを喚起する動画をつくりました。
再生回数は1000万回を超えて完全視聴率も30%近く、売上に貢献しました。「もしかして自分が気づいていないだけかも?」と思わせることでケアへの興味を喚起できたと思います。
浦崎:私の担当するベビー向け製品「ジョンソン ベビー」はこの数年、売上が対前年比110~120%で伸長しています。10~20代女性がデジタル上で新しい使い方を広めたことがきっかけで、顔を洗うときに洗顔料に混ぜる美容系のオイルの代わりに使用することを発信していました。
そこで我々が推奨する14通りの使用方法を提案し、まだ活用法を知らない人に向けてYouTubeやInstagram上のインフルエンサーにコンテンツを制作してもらう施策を展開したことが、成長につながりました …