10月25日、マーケティングソリューションを提供するチーターデジタルは「マーケティングオートメーション活用最前線」と題するセミナーを開催。マーケティングオートメーション(MA)「CCMP」を導入したクライアントが一堂に会し、導入の経緯から実際の運用法に至るまで、現場の視点から最先端の取り組みが紹介された。
基調講演のディスカッションには、日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)マーケティング部長の小山 典孝氏とアビームコンサルティング デジタルマーケティングセクター ディレクターの本間 充氏が登壇。市場と顧客変化に対応するためにマーケティングオートメーション(MA)をいかに活用すべきかをテーマに、事例を交えた議論が行われた。
まず本間氏が指摘したのはMA活用の前提として、従来のデモグラフィックな顧客セグメントでは、顧客像の多様化に対応できないという点だ。顧客像の多様化に対する理解がなければMAを導入する意味が薄れると述べた。
対して小山氏は、外食・中食業界における競合相手が急増している現状を語った。「クリスマスなどのイベント時に家族や仲間と楽しむグループミールにおいて当社は今も強みを発揮できている。一方で日常の食シーンにおいて、カフェやコンビニなどファストフード以外の競合も多く登場し、脅威を感じている。特に近年、商品開発のバラエティを広げているコンビニなどに対応するには、業態そのものを変化させる必要性に迫られている」。
そこで同社が行っているのが郊外の店舗をカフェ風に改装したり、特定の店舗における食べ放題といった施策だ。これらの企画により全国一律だった旧来の店舗から脱しようとしているという。
全国一律ではなく、店舗ごとの個性をつくっていく戦略へと舵を切ったことで、同社では顧客分析についても新たなテーマが出てきている。具体的にはPOSデータ管理によるユーザー分析も変化をしていると小山氏は説明する。
「全体の約2割を占めるヘビーユーザーの方々は、平均で3店舗ほどを利用していた。こうした分析は個客を軸にした分析が必要だ。利用シーンが多様化する中で個店単位のPOSデータ分析だけでは情報が取れないのが現実。理想的なお客さまを増やすために、まずは彼らに寄り添い、普段どんな行動をしているのかを知る必要がある」と話す。
こうした多様化する顧客像の理解を基に、コミュニケーション戦略を立案し実行する際、必要となるのがMAだ。KFCでは、チーターデジタルが提供するクロスチャネルでのシナリオ実行に必要な機能を集約したマーケティングプラットフォーム「CCMP」を導入。メールをはじめとするクロスチャンネルでのワントゥワンマーケティングに力を入れている。
小山氏はMA活用における重要なことは「データ分析そのものに時間をかけるのではなく、いかに早く打ち手を用意し、問題点に対応するかが重要だ」と述べた。データから導き出した仮説をもとに、顧客にオファーする時期やキャンペーンの規模などを企画・判断するようにしたことで、施策実行までのスピードを早めることができているという。
最後に「CCMP」を導入して一番効果があったことを本間氏が訊ねると、小山氏は「データ活用に費やしていた時間が削減できた点はとても大きい。空いた時間を仮説の企画や検証に費やせるようになった。一人ひとりに違うオファーを行って購買行動を起こすワントゥワンマーケティング実現には、個人IDを活用できるMAは必要不可欠ではないだろうか」と回答。顧客視点へ立ち返ることへの重要性に言及した。
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