1. VICE Media
ミレニアルを魅了するメディア、成長の起爆剤はエージェンシー機能
1994年にカナダ・モントリオールで創業したVICE Mediaは、ファッションや音楽などのカルチャーから、社会問題に国際問題、独自の視点で切り込んだジャーナリズムまで幅広いテーマの番組を、Webサイト、大手テレビ局、NetflixをはじめとするOTTプラットフォームなどさまざまなチャネルで配信している。
1日当たり約960万人の視聴者にリーチし、特に18歳から34歳までの若者、いわゆるミレニアル世代から絶大な支持を集めている。
「私たちが追求しているのは、これまでに語られていないストーリーだ。もしすでに語られているものなら、違う角度から語りたい。『VICEを見て初めて知った』『そんな考え方もあるのか』と世界中の若者に感じてもらいたい」とグローバル・ゼネラル・マネージャーのホシ・サイモン氏は話す。現在36の国と地域に支社があり、3000人の社員が働く。平均年齢はなんと26歳だ。
収益の柱は大きく2つ。テレビ局などに対するコンテンツ販売と、ブランド広告主から依頼を受けた広告コンテンツの制作・配信だ。社内に「VIRTUE」というクリエイティブエージェンシー部門があり、セールスから企画・制作まで完全に内製化している。
「米国内では、VICEはミレニアル世代の3分の1に毎日リーチしている。1日あたりの視聴時間はCNNの2.2分に対してVICEは2.6分と、主要メディアでは最長だ。リーチが難しい世代に対して大きな影響力を持つため、広告費は高額ながら、多くのクライアントからの支持を得ている」 …