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NY視察研修ツアーレポート

デジタルの予言者が説く イノベーション×クリエイティブの近未来

Oath David Shing

米通信最大手のベライゾン・コミュニケーションは今年6月、約44億8000万ドル(約4930億円)で米ヤフーを買収した。これを受けて、AOLを含む傘下のメディア事業とヤフーの資産は統合され、約50のメディアブランドを擁する「Oath」が誕生した。

今回はOathのオフィスを訪問し、AOL時代から「Digital Prophet(デジタル領域の予言者、エバンジェリスト)」として年間300以上のカンファレンスに登壇してきたDavid Shing氏に「クリエイティブの近未来」をテーマに話を聞いた。

「クリエイティブ」とは、マインドセットだ。ある科学者が人の年齢に応じてIQ診断を行ったところ、こんな結果が出た。「人は5歳児の頃は98%が天才ともいうべき能力を持っている。ところが10歳になるとそれは30%に、15歳では15%に、そして成人になると2%になる」と。誰しも、生まれた時には目にするあらゆるものが真新しく、そこからさまざまなイマジネーションを得ている。ところが大人になると、瑞々しかった感性は徐々に枯渇していく。

クリエイティブと同様に、「イノベーション」もマインドセットだ。イノベーションとは、いわば「Invention(発明)」と「Change(変化)」と「Create(新しい価値の創造)」の複合語だ。新しいテクノロジー=イノベーションではない。イノベーションの背景には常に人の営み、文化がある。クリエイティブ領域に携わる人間は、常にそういう意識で新しいテクノロジーに向き合うべきだ。

IoTからIoEへ

モノ(物体)がインターネットにつながるIoT時代から、ヒトやコトを含めてすべてものがネットにつながる(IoE:Internet of Everything)時代が到来している。ウェアラブルデバイスというと、これまで私たちは「Apple Watch」や「Google Glass」などを想像していた。しかし近年、もっとナチュラルなウェアラブルデバイスの開発が進んでいる。

マイクロソフト・リサーチとMITメディアラボが共同開発している「DuoSkin」は、金箔を肌に貼りつける、タトウーのような見た目のタッチパネルだ。オーストラリアの銀行Heritage Bankでは、スーツの袖にNFCチップを埋め込み、VISAカードの読み取り機に袖をかざすだけで決済できる仕組みを開発している …

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