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気軽に試せる睡眠法の提案が響いた 重要性を訴えるだけでは人の理解は促せない

西野精治

著書の『スタンフォード式 最高の睡眠』(発行:サンマーク出版)が27万部を突破するヒットとなり注目を集める西野精治氏。睡眠不足が引き起こすリスクとは。現代の日本に焦点を当て、睡眠の重要さ、さらには社会的な注目を集めるようになった著書について話を聞いた。

西野精治(にしの・せいじ)さん
スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)所長。医師、医学博士。1955年大阪府生まれ。1987年、当時在籍していた大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学。突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぐ。2016年4月より一般社団法人良質睡眠研究機構の代表理事に就任。大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎北米支部同窓会会長も務めている。

精神科医から留学の決意 ナルコレプシーの仕組み解明へ

西野精治氏は、大阪医科大学を卒業後、精神科医として働いていたが、研究に興味を持ち、大学院へ進学して睡眠の研究に携わるようになる。さらに1987年には、在籍していた大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学。突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に心血を注いできた。

ナルコレプシーは過眠症状だけでなく、「情報脱力発作(興奮時に突然全身の力が抜けて倒れてしまう)」や「金縛り発作」といったレム睡眠の異常も伴う。情報脱力発作はナルコレプシー患者のみに現れる症状だ。

翌1988年、ナルコレプシー研究所所長のエマニュエル・ミニョー氏と共に、ナルコレプシーのメカニズムの特定が最重要課題に。研究を重ねる日々が続いた。

そうした中、10年後の1999年に、イヌの家族性ナルコレプシーにおける原因遺伝子を発見することに成功。翌2000年にはヒトのナルコレプシーの主たる発生メカニズムを突き止めた。

「この発見により、ナルコレプシーの早期発見が可能になりました。思春期に発症することが多い病でありながら、発症から診断、治療に至るまで数年かかることが多かったのです。早期に診断法を確定できたことは大きかったです」と西野氏は当時を振り返る。

そして2005年にスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)の所長に就任した西野氏。睡眠と覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまで、幅広い視野を持ち研究を続けている。

量より質が重要な今 求められる「最高の睡眠法」

睡眠の領域で研究を深めてきた西野氏は、今年3月にサンマーク出版から『スタンフォード式 最高の睡眠』を出版した。現在では発売部数が27万部を突破。テレビ番組でも取り上げられるなど、話題を集めている。

本書は、ビジネスパーソンをターゲットにしている。現代の日本は、長時間労働などの問題もあって、海外諸国と比べてビジネスパーソンの睡眠時間が少ない。こうした忙しい現代人に睡眠時間を確保するように促すことはとても難しい。そこで、実行できない助言を行うのではなく、比較的試しやすい提案を中心として、睡眠の基礎知識から西野氏が研究を重ねて得た睡眠法までを教示している。

「量よりも質が重要とはビジネスの世界でもよく言われることですが、睡眠についても同じです。それにも関わらず、睡眠に関してはそうした『当たり前』のことがなかなか皆さんできないのです。『日中も眠い』『朝なかなか起きられない』といった睡眠ストレスを抱える方は多くいるのに、それでも量だけを確保しようとしがち。しかし、いくら量を確保しても、質が良くなければ課題は解決しません。本書を通してより多くの方に"最高の睡眠"を得てもらいたいと思います」 ...

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