2014年からの検討が実を結んだテレビCMのオンライン運用
テレビCM素材のオンライン運用が10月から開始される。ビデオテープやカードディスクなどの「現物」による素材搬入を行ってきたテレビCMのオンライン運用化は大きな変化と言える。10月2日から一部の局で受け入れを開始し、最初の素材は6日にもオンエアとなる予定だ。
マスメディアの広告素材送稿のオンライン化は新聞、雑誌の紙媒体で先行。今年4月からはラジオでもオンライン運用が開始され、早ければ来年度にも完全移行する見込みとなっている。
テレビCMのオンライン運用は、日本広告業協会(業協)と日本民間放送連盟(民放連)が共同で2014年から検討を重ねてきた。技術的な課題に加え、運用方法の仕組みについて検討が行われ、昨年11月には「オンラインCM搬入暫定基準」が策定された。今年7月からは運用のテストと検証が行われてきた。
10月2日の運用システム稼働からオンラインでの送稿を受け付けるのは、在京テレビ5社。東京、名古屋、大阪に加え、北海道、東北、九州の計21社が10月中に受け入れを開始する。11月以降さらに21局が加わり、今年度末には計42局が受け入れ可能となる予定だ。また、2018年度上期には20局前後の追加が想定されており、累計60局以上となる見込みだ。
テレビCM素材の搬入はHDCAM、HDCAM-SRのビデオテープ、2011年7月から運用が開始されたファイルベース(XDCAMディスク、P2カード)メディアの運用とオンライン運用の3つの形態が並行して行われることになる。
CMのオンライン運用のメリットについて業協は以下の3点を挙げる ...