今年度、カンヌライオンズのフィルム部門でシルバーを受賞したアサツー ディ・ケイの森川晴久氏と、元乃木坂46のメンバーで、活動の幅を広げる深川麻衣さん。挑戦を続ける二人が向き合う仕事について聞きました。

深川麻衣(ふかがわ・まい)
1991年3月29日生まれ、静岡県出身。2011年より乃木坂46のメンバーとして活動し、2016年に同グループを卒業。その後、2016年10月にテレビドラマ『プリンセスメゾン』(NHKBS)、2017年に主演舞台『スキップ』、特集オーディオドラマ『ピンザの島』(NHKFM)などに出演。着実に女優としてのキャリアを積み、今後の活動が、最も期待されている女優の1人である。現在、スマホ向け本格オンラインPRG『剣と魔法のログレス いにしえの女神』の新CMに出演中。
ヘアメイク/朝日智仁 スタイリスト/堀 継予
衣装/アナトリエ ミュゼ プリヴェアトレ恵比寿店 Photo/川嶌 順
足立:まずは森川さん、鶴弥 防災瓦の「耐える男たち(Sticking Together, No Matter What)」にて、カンヌライオンズのシルバー受賞おめでとうございます。受賞した作品の企画のポイントとは。
森川:ありがとうございます。今回の作品のテーマは、海外の方はおそらく見たことがないと思う「瓦」だったので、伝わるかどうかの不安はありました。でも日本では瓦は、1000年も前から私たち日本人の屋根を守っているものなんですよね。実は瓦は、縁の下の力持ちですごい存在なんだと知ってもらいつつ、カンヌは日本文化を意識するところがあるので、そこも感じてもらえる作品づくりを目指しました。
足立:本当に堂々とした面白い作品ですよね。審査員の方にもきちんと伝わったこその結果ではないでしょうか。
森川:新しいものが選ばれるイメージのあるカンヌで、クラシカルなCMが受け入れられるかな、という思いがあったので、受賞できて嬉しいです。
足立:過去の受賞作品の研究もしていたのですか。
森川:それは、もう。死ぬほどしていました(笑)。8年ほど前から「カンヌで賞を獲ろう」思っていて、今回が3回目の挑戦でした。限られた予算で質感の良いものを撮るにはどうしたら良いのか、カンヌの審査員は目が肥えているので、いかに目に止めてもらうかを研究しました。
足立:受賞後、変化はありましたか。
森川:そうですね。多くの方にお祝いしていただいたり、取材の機会が増えたりと、反響は大きいですね。
足立:ちなみに森川さんは、キャスティングに対するお考えなどはありますか。
森川:例えば今回のCMだと、瓦を演じるのは役者さんである必要があったんです。いきなり一般の方に「瓦になってくれ」と言っても難しいじゃないですか(笑)。
足立:確かにそうですよね(笑)。
森川:自分で舞台を観に行ったりして「あの方に依頼したい」と思う方もいるのですが、瓦役を依頼したい方はなかなか見つけられなくて。e-spiritさんのようなキャスティング会社さんの助けが必要ですよね ...