コンテンツにプラットフォーム 急速に進化する中国
今月も中国のネット動画サービスの可能性について考察したい。なぜなら、中国ではネット動画向けのオリジナルコンテンツが猛烈な勢いで増えているからだ。
2016年、中国のネット動画で配信されたオリジナルコンテンツ数は、2年前の4倍に増え、2500作品を超えた。中国のネット動画サービスは、もはや13億人の人口をあてにして、海外のヒットコンテンツを流すだけのドメスティックなサービスではなく、オリジナルの映像コンテンツを生み出す生産工場となっている。ちなみに、2016年に中国で劇場公開された映画は423作品と、ネットオリジナルの作品数の多さがよくわかる。
こうしたオリジナル作品の増加を支えているのが、豊富な制作資金である。ユーザー数4.8億人の動画配信サイトであり、検索サービスバイドゥ傘下の”iQiyi(愛奇芸)”のコンテンツ制作費は年間78.65億元(1291億円)。同社幹部は「映画1本に1000万元(1.6兆円)を注ぎ込む」と語り、他の動画配信大手アリババの幹部は「2017年から3年間でコンテンツに500億元(9000億円)投資する」と話す。
TBSの2016年度番組制作費は981億円、日本テレビは979億円。テレビ局なみのコンテンツ制作資金がネット動画に流れ込んでいる ...
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