広告業界の長時間労働は、改善に向かっているのか?アンケート結果を公開
国を挙げた「働き方改革」の流れの中で、広告業界の働き方にも社会の大きな関心が集まっています。多くの広告会社で新たに労働環境の改善に向けた動きが始まるなど、取り組みが進みます。人が資産と言われる広告業界が、今後も魅力的な職場として若い人にとって目指される存在であり続けるために「働き方改革」の今をレポートします。
2007年から2016年まで8年半、サントリーホールディングスで宣伝部長を務め、現在はサン・アドで取締役会長の職に就く久保田和昌氏。日本アドバタイザーズ協会顧問、日本アド・コンテンツ制作協会監事、東京広告協会理事なども務め、広告主と広告業双方に精通する同氏に複数の視点で見た働き方改革のあり方、その方向性について考えを聞いた。
今回、広告業界で起きた問題が広告主にとって、どのような関わりがあるのか、自分事として捉まえることが求められていると思います。
そんな中、日本アドバタイザーズ協会の伊藤雅俊理事長(味の素 代表取締役会長)は「People First」という言葉を使われました。ここで言うPeopleとは広告界で働くすべての人のことです。ブランドの価値を伝え、さらにはお客さまに明るく元気になっていただこうと思って広告活動をしているのに、その広告に携わる人たちが疲弊していたら、価値など伝わるわけがありません。
広告主側の宣伝部はブランドの価値を磨き、そして伝えることに役割がありますが、その価値を伝える業務プロセスの品質も、またブランド品質であると理解すべきではないでしょうか。
また広告会社の労働環境で問題が発生した場合、世間は「なんの仕事で発生した問題か?」を問うでしょう。もし自分たちの仕事の中で問題が起きればブランド毀損の大きなリスクにもなります。広告業界の労働環境の問題は、広告主の問題でもあるという認識が必要と言えるでしょう ...