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米国広告マーケティング事情

近い将来、アメリカの経済の中心となる「Generation Z」とは?

松本泰輔

「Generation Z(Z世代)」は1990年代半ばから2000年代前半生まれの世代を指し、省略して「Gen Z」または「Gen Zers」と呼ばれる。年齢で言えば現在13歳の中学生から22歳の大学生くらいまでで、その上が20代半ばから30代後半の「ミレニアル世代(Generation Y)」となる。Z世代はすでにアメリカ人口の25.9%を占め、現時点でアメリカの最大層だ。

Marketo社の調査によると、彼らの支出は週平均$16.90(1860円)で、この世代の支出は年間で440億ドル(4.84兆円)に達する。彼らの購買力はまだミレニアル世代に及ばないものの、数年後には2000億ドル(22兆円)近い消費が予想され、アメリカ経済を動かす世代になるといわれている。そこでメディアは早くも「Gen Z攻略法」を特集するなど、争奪戦は加熱している。

Z世代は近未来のアメリカにとって「Pivotal Generation(極めて重要な世代)」

今年1月に発表されたFutureCast社「Getting To Know Gen Z:How the Pivotal Generation is different From Millennials」はZ世代を"Pivotal Generation"(極めて重要な世代)と名付け、近い将来アメリカ社会に大きな衝撃を与えると予測している。そして同書では、Z世代と他の世代との違いを以下のように分析している。

・Z世代は努力家「成功は努力の賜物であり、運とは関係がない」

69%が「成功とは努力の賜物であり、運とはほとんど関係がない」と答え、ミレニアル(63%)、X(58%)、ベビーブーマー(55%)各世代の解答と比較して一番数字が高い。また85%が「友達と遊んだりリラックスする時間より、学校の成績が一番重要」と答えており、努力や勤勉を重要視していることがわかる。

・多種多様な環境に生まれ育ち「人権」「平等」を重要視

72%が「人種差別は現代において最も重要な問題」、64%が「男女平等」、48%が「性的指向の平等」に関心を示しており、社会における「平等」はNon-negotiable(交渉の余地なし、譲れない)と考えている。

また60%が「人権・人種差別・性的指向について立場を明確にするブランド(企業)をサポートする」と答えている。同調査では「この世代はかつてないほどの多種多様な人種・文化に囲まれて育っているがゆえに人種・性的差別など真剣に捉えている」と分析している。

・リアルとユニークさ(自分だけの個性)を追求

77%が「リアルな人がリアルな状況に登場する広告が好き」と述べている。どの世代よりもテレビを見ないZ世代にとって、芸能人や映画スターよりもYouTuberやその他SNSのインフルエンサーの方が身近で信頼できる存在。また「自分だけのファッションを表明したい」が58%と他世代と比べて一番高く、他人とは違うユニークな個性を確立したいと思っている ...

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