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横山隆治氏×簗島亮次氏、いま必要な「DMP2.0」への進化とは?

横山 隆治氏/簗島亮次氏/インティメート・マージャー

広告・マーケティングの世界には、これまで“解明できなくても仕方がない”と思われてきた、数々のブラックボックスが存在する。しかし、その「壁」を打ち破る、技術革新が生まれつつある。

DMP活用は「DMP2.0」への進化が必要

日本企業でも導入が進んだDMPだが、その活用は、ディスプレイ広告配信の最適化に用いられるケースが多い。しかし「本来はオフラインを含めたマーケティング活動全体に生かせるもの」と話す、デジタルインテリジェンスの横山隆治氏とインティメート・マージャーの簗島亮次氏が、その可能性を議論します(本文中・敬称略)。

簗島▶ 日本を含む世の中のDMPに求められることがディスプレイ広告配信の最適化という、ごく一部の用途にしか使われていない点は今後、変わっていくのではないかと考えています。

横山▶ デジタルテクノロジーやデータの恩恵を受けることができるのは、デジタル担当の部門だけと考えている人がまだ多い。本当は、テレビCMやダイレクトメール、セールス活動などオフラインの活動のパフォーマンスを高めることにも活用できるのに、気付いている人が少ないのが現状です。また活用法が従来のCRMの役割の域を出ていません。DMPがCRMと画期的に違うのは、分析によってどこに潜在顧客がいるのかをあぶりだせること。簗島さんとは「DMP2.0」への進化が必要だという話をよくしていますね。

簗島▶ マーケターの方たちは、自分たちが「獲得したいユーザー像」を定義することは多いですが、それは「獲得できるユーザー像」と乖離しているケースが往々にしてあります。DMPを活用すれば、獲得できるユーザー像を可視化できるので、そこで成果を出し、ブランド力を強めたうえで、獲得したいユーザーに向き合えばよいのでは、というお話をさせていただくことも多いです。

横山▶ 例えば車では特に関心のある人と買える人が別で、買える人を対象にどうコミュニケーションをしたら関心が顕在化するかを考えたほうが、よほど効率的。資料請求やサイト閲覧といった指標だけ見ていると判断を誤ります。確かにネットでの行動データによって、関心の顕在化を把握できるようになったのは画期的ですが、それはあくまでマーケティング活動のごく一部。今はオフラインを含めた行動データも取得できるようになっているし多様なデータをDMPに入れて、分析すべきだと思います。

簗島▶ あと最近、違和感があるのは、デジタルとマスの二者択一の議論です。

横山▶ マスを中心にしてきた人たちはファネルの入り口、デジタルを中心にしてきた人たちは最後の刈り取り部分ばかり見てきたので、ファネル全体を理解できている人が少ないのが要因だと思います。マスかデジタルかの議論ではなく、パーセプションフローを理解して、そのフローの各段階に、いまどれくらいのユーザーがいるのかを分析した上で、売上を高めるためにはいま、どの段階に対する施策を重視するのか考える。あるいは各段階にいるユーザーに対して適切なコミュニケーションをして、遷移を促していくことが成果につながるのですが、そこまでの理解が進んでいません。

簗島▶ 最近、カスタマージャーニーマップをつくる企業が増えていますが定性的な情報をもとにしたマップが多い印象です。購入というゴールに向け、遷移するための手段まで理解する必要が今後は出てくるのではないかと考えています。その中でDMPを使えば、定量データをもとに、より緻密なマップを描くことも可能になりますし、横山さんのおっしゃるパーセプションフローの各ステージにいるユーザーの規模感もそれぞれ把握できるようになり、お客さまをより理解して施策を実行できるのではないかと考えています。

横山▶ パーセプションフローの各ステージにどれくらいの規模のユーザーがいて、その人を次のステージに遷移させるために一人当たり、使えるコストはいくらかといった計算もできるようになります。こうしたナレッジがあるか否かで、同じマーケティングコストを投資しても当然、結果は全く違ってきます。これからの時代のマーケターにとってDMP活用は必修科目だと言えるのではないでしょうか。

横山 隆治氏

1982年旭通信社。1996年ネット広告のメディアレップ、デジタルアドバタイジングコンソーシアム設立。同社代表取締役副社長。2001年同社を上場。インターネット黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組む。2008年ADKインタラクティブを設立。同社代表取締役社長に就任。企業のマーケティングメディアを、POEに整理するトリプルメディアを日本に紹介。2011年、デジタルインテリジェンス代表取締役に就任。

    編集協力:株式会社インティメート・マージャー

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