どれだけ新しいテクノロジーを駆使したところで、ターゲットの心理や心情の深い理解なしに、心に届くキャンペーンは実現し得ません。
それならば人の心を捉え、行動を喚起した広告キャンペーンを読み解けば、その背後には、人の根源的な欲求や心理が見えてくるのではないか…。そんな仮説のもと、世界の秀逸プロモーションを100点弱集めてみました。
事例を選定し、さらにその背後にあるインサイトを分析・解説していただいたのは、日本に留まらない活躍をされている12名のクリエイターやプランナーの方々。
12名の「選者」の方々に国内外の秀逸事例を解説いただきながら、有意なインサイトを得る方法から、そのインサイトを具体的な施策に落とし込む際のポイントを考えていきます。
事例の選定テーマ
世界共通の課題解決
広告・キャンペーンが捉えた「インサイト」
障害の有無にかかわらず、自分を磨き続けたい。
Channel4「We're the Superhumans」
本年のカンヌライオンズ グランプリ作品。カンヌの基準(誇り、多様性、人間らしさ、障害、オリジナル)を調和した形で表現。何よりもSuperhumansという言葉に魅力がある。障害者が健常者に戻ることは容易ではない。自分の持つ能力の総計が100だとすると、何かを失ったことを梃子にそれ以外の能力を鍛えて伸ばし結果として総計100を維持する人もいれば、諦めて総計が100を割ってしまう人もいる。
そんな中、このフィルムは総計100を超える人たちの姿を見せて勇気を与えてくれる。オリンピックに比べて注目度が低いパラリンピックを実際の参加者のゲームやプレイの瞬間瞬間を切り取ることで、よりオーディエンスにとって近く魅力的なものとし、想像を超えた感動と共感を醸成し、勇気と力を与えてくれることで注目度を上げる。
パラリンピックのプロモーションに止まらず、人の努力の大切さ、スポーツの熱さ・真剣さ・そしてゲーム後の選手の普段の顔に戻った優しさなどを伝えることによって、健常者とか障害者といった壁を取り去り、素直に自分を磨くことを忘れてはいけないと思い起こさせる。
広告・キャンペーンが捉えた「インサイト」
国民には、有権者としての権利と責任がある。
ブースト・モバイル「Equal Voting Access for All」
本年のカンヌライオンズでプロモ&アクティベーション部門のグランプリを受賞した作品 ...