ECサイト・実店舗・自動販売機 ダイレクト販売の価値と可能性
消費財メーカーが消費者とダイレクトに結びつくことには、どのような効果や可能性があるのでしょうか。
「販路」多様化時代のメーカーの戦略
原宿・竹下通りの近くにある「アキュビュー(R) ストア表参道」。男女問わず、10代から60代まで幅広い層の人たちが来店している。
日常におけるオンラインチャネルの拡大は、あらゆる商材のビジネスに影響を与えている。コンタクトレンズもそのひとつ。使い捨てコンタクトレンズ「アキュビュー(R)」を提供する、ジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンケアカンパニーが2015年に実施した調査によれば、オンラインでコンタクトレンズを購入した経験のある人が、全体の34.5%いたという。
このうち、「購入する際に常に(眼科医の)検査を受けている」と回答した人はわずか3.2%。オンライン以外で購入する人では、47.6%が「購入する際に常に検査を受けている」と回答したのに比べると、圧倒的に低い数値だ。
コンタクトレンズは医師の指示のもとでの使用が必要な高度管理医療機器。しかしオンラインチャネルでの販売の拡大、さらに若年層を中心にファッションアイテムのひとつとして、カラーコンタクトレンズを利用する人が増える中で、医師の診断を受けずに使用して、眼障害を訴える人も増えていた。
ジョンソン・エンド・ジョンソン ビジョンケア カンパニー 営業本部 ニューチャネル セールス、ディレクターの宮野淳子氏は「当社のコンタクトレンズは『アキュビュー(R) アイケア・ネットワーク加盟店』である眼科併設の販売店、量販店、ECサイト、眼鏡店などで販売いただいています。中でも最近は、オンライン販売の割合が急激に伸びたことで、メーカー側がお客さまに伝えるべき、安全に装用するための情報が届きづらくなっていることが問題化していました」と話す。
メーカーとしてお客さまに直接、情報を届けるチャネル開発が必要との考えから、同社では2015年10月、東京・表参道にコンセプトストア「アキュビュー(R)ストア表参道」をオープンした(※ジョンソン・エンド・ジョンソンは店舗監修、運営はヘルストラスト)。時期を同じくして、オンラインにも直販チャネルの「アキュビュー(R) オンラインストア」を開設している。
「私たちニューチャネル セールスは、顧客接点のオムニチャネル化の推進を担う部門です ...