壮大すぎる理想!? データ活用は身近なところから
ここ数年、広告界ではデータドリブン・マーケティングがデジタル時代の競争力を左右する重要要素として、多くの企業で実践が目指されてきた。しかし最初に描いた構想が、あまりに大きすぎて結局、最初の一歩を踏み出せずに悩んでいるマーケターの声も聞こえてくる。
「日本ではデータ活用と言うと、例えばDMPであったり手法や技術、ハウトゥに注目が行きがちな状況が続いている。もちろん、それらも大事だが、まずはマーケティング活動全般を見渡し、ビジネスインパクトの大きな領域から手を付けていけばよいのでは」と話すのはDatorama Japan(デートラマ・ジャパン)セールスディレクター/ビジネスディベロップメントの石戸亮氏だ。
デートラマは2012年にイスラエルで創業。現在は米国を拠点に、企業内のサイロ化した組織に点在する、多様な種類やフォーマットのデータをAI搭載の独自開発のマーケティング統合エンジンにより、自動的に統合・分析。マーケターの意思決定を支援するSaaS型のプラットフォームを提供するテクノロジー企業だ。現在、世界16の地域に拠点を設けているが、そのひとつが日本で、2015年2月より日本にオフィスを構えている。
「データ活用をデジタルマーケティング領域から始める企業が多く、この領域の投資効果のレビューを行う企業は増えている。私たちもよくDMPをデートラマ化したいといった相談を受け、それを形にする支援も行うが、日本の大手企業はマス広告が中心で、デジタルの投資額とは比べものにならない金額を投下している。しかしオフラインの広告のレビューをしている企業は少ないのではないか。データ活用を考える際、ビジネスインパクトの大きなところから優先的に取り組むことが、社内から理解を得てデジタル化を推進する上で重要なのではないか」と石戸氏は指摘する。
広告主、広告会社とメディア企業での導入広がる
デートラマはグローバルで2000社以上の広告主企業、300社以上の広告会社企業で導入の実績がある。日本は進出から約2年で広告主企業ではネスレ日本、広告会社ではサイバーエージェント、メディア企業ではヤフーでの導入実績がある。
「欧米と比べて日本の企業は、他社がまだ導入していない新しいソリューションの利用には積極的とは言えない。そこで支社設立時から導入数ではなく、他の企業にも影響力を持つ最先端企業との事例をつくることに力を入れてきた ...