ブランド化のプロセスにいかに「人の介在」を組み込むか
地方創生に注目が集まる今、「地域を元気にしたい」と地域ブランディングや食品・農業のマーケティングの分野で研究活動を行うのは、日本大学 生物資源科学部 くらしの生物学科の小谷幸司准教授。小谷氏は実際に地域に足を運び、現地の人との関係性を築いていくことで、産地と消費地をつなぐプロモーターの役割も担っている。
同氏が研究を行う背景には、前職のシンクタンクで携わっていた特産品開発や、農業関係者の人材育成プロジェクトの影響がある。生産者数が減少し、食市場の規模的縮小も懸念される今、生産者にもマーケティングに関する基本的な知識や理解が必要だと小谷氏。しかし、現場で生産者と向き合ったとき、机上のマーケティングは通用しないと感じたという。
「若い頃、地方に眠る商品やサービスをどうしたらマーケットにつなげられるかと考えたが、理論だけでは相手に伝わらなかった。地域の歴史や文化、つくり手の想いを知り、私にとっても『自分ゴト』にならないとマーケットに価値は伝えられないと確信しています」(小谷氏) ...
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